今出 和史(いまで かずふみ・鳥取県米子市)さん 【連載#48】

教師からおもちゃ屋店主への大変身!!親子が本気で遊べるおもちゃを提供したい!あそびの専門店『TOY POP』店主 今出 和史さん

あそびの専門店「TOY POP」店主 今出 和史 

【今回の元気人】
あそびの専門店「TOY POP」 
店主 今出 和史(いまで かずふみ)
1969年10月24日生まれ(36歳)
元境港第三中学校社会科教諭

親子が本気で遊べるおもちゃを提供したい!

新たに商売を始めようとする人に、独立開業までの仮店舗を提供する「チャレンジショップ・しょいや」(米子市紺屋町)

2004年に始められたこの事業の第一期生としておもちゃ屋を開いた今出和史さんは元中学校の先生。

長年培ってきたキャリアを返上して別世界に飛び込んだ、まさに「チャレンジャー」なのである。

(取材・文章 土山博子)

自分の可能性を試してみたい

 

これが噂のおもちゃ屋『TOY POP』

これが噂のおもちゃ屋『TOY POP』

「なんでだろう・・・なんででしょうね・・・」

教師からおもちゃ屋店主への大変身のきっかけを尋ねると、今出さんは困ったように考えこんだ。

約10年間、社会科の教諭を務め、そこから転身を図るからには何か転機となるものすごい出来事があったのではないかと推測していたので、意外な反応である。

「教員の仕事も楽しかったですけど、自分の人生をより楽しめる方向に向けたかったというか、いろいろ試してみたかったんですね、自分の可能性を・・・」

ご本人は飄々と語るが、当時今出さんは34歳。
家庭では二児の父であり、三番目の子どもが間もなく誕生いう時期での決断、生半可な覚悟ではなかったに違いない。

 「お金をもらって仕事をすると、仕事が気に入らない人は離れていくじゃないですか。学校だと、生徒は自分を気に入らなくても一応言う事を聞いてくれるんですよ。
自分としては教員としてやっている事に自信はあったんですけど、もっとはっきりと評価されたい、もっといろいろやってみたいっていうのはありましたね」

新しい可能性を求めて、とりあえず学校を退職したのが2004年3月。
おもちゃを扱うような仕事をしようと漠然と考えていた今出さんの元に、チャレンジショップ開設の話が舞い込んだ。

「店はどこかに開くつもりだったし、仮説実験授業というのもやってみたかったので、それをやれる場所をつくりたいなと思いました」

 『仮説実験授業』というのは教師と生徒の壁をうち破るコミュニケーション型の授業のこと。学級崩壊など教育問題が大きな社会問題になっている今、注目されている実践学習法だ。

以前から興味を持っていた市販のブロックおもちゃを扱う専門店、そして小学生対象の「おもちゃ科学教室」。
2004年10月、あそびの専門店《TOY POP》の歴史が始まった。

親が自信を持って生きれば子は育つ

 

小学生とゲームに熱中

小学生とゲームに熱中

現在はチャレンジショップを卒業し、店舗を米子市郊外に移して営業している。
店内にはブロックだけではなく、ボードゲーム、カードゲーム、マジックグッズ、絵本に出てくるぬいぐるみ、ベビートイなど、親子が本気で遊べる様々なおもちゃが並べられている。

店舗二階では毎週土曜日に科学教室(小学生対象・月謝5000円)を行っているほか、 2006年4月からはボードゲームサークルも開く予定(大人も可)。

学校が休みの土曜日・日曜日、平日の放課後などは近所の子どもたちが集まり、ボードゲームなどで自由に遊んでいる。
店主自ら子どもたちの輪の中に溶け込み、同じ目線で遊んでいる姿が印象的だ。

無気力・無感動、何かと問題行動が取りざたされる現代の子どもたち。
遊びを通して彼らを身近に見つめている今出さんはどう感じているのだろうか。

 「今の子どもが無気力と言われるのは嘘ですね。マスコミに流されない方がいいです」
子どもに問題があるとした方が研究対象にするのに都合がいいからだ、と言い切る。

 「あと、親が悪いと言われるのも嘘だと思いますしね、子どもとかかわる時間を増やせというのも無理があります。それよりも親が不安になることの方が問題ですよね」
ご自身も三人のお子さんのお父さん。言葉に実感と重みを感じる。

親が自信を持って生きていれば、子どもは育ちますよ
心に響く言葉だ。

海外にも目を向けて

 

木のおもちゃや懐かしいお手玉も置いてある

木のおもちゃや懐かしいお手玉も置いてある

先月は米子市青少年海外研修生として、イギリスの子育て環境の視察を行った。

「普通のおもちゃ屋、美術館、科学博物館などを見学しました。大英博物館などは寄附制なので入場は無料です。子どもたちの姿も多く、幼稚園の子どもなども説明を聞きながら鑑賞している。こんな環境はいいですよね。それに圧倒的にデカいですしね」

日本では小さい子どもを美術館などに連れて行くのは親の方が敬遠しがちである。
子どもの頃から本物に触れる事ができるとは、本当にうらやましい環境だ。

 「おもちゃ屋さんもね、コンピューターゲームが置いてあるのはほとんど専門店だけです。 百貨店なんかにも少しは置いてありますけど、コーナーとしては小さいですね」

日本とイギリス。
おもちゃひとつとっても、子育てを取り巻く環境には大きな違いがありそうだ。

進化し続けるおもちゃ屋

今後もますます活動の幅を広げようと頑張っている今出さん。

 「今年はSC鳥取の企業スポンサーにもなろうと思っています。Jリーグ入りを目指しているということで、夢を応援したいですから」

現在もお店での活動のほかに、バルーンアートの講師、バルーンの飾りつけ、子ども会やサークルなどに出かけての出張教室(バルーンアート教室・科学教室・その他工作教室等)も行っている。

「でもねぇ、出張できるのも今のうちですよ。そのうち大変なことになりますから・・・」
有名人になって大忙しになっちゃうってことですね?

「そうなる予定です」
そう言って笑う今出さんは本当に楽しそうだ。

多忙な店主の不在中に店を切り盛りしている奥様、そして3人の子どもたちの応援も頼もしい。
4月には4人目のお子さんが誕生する。
公私共にますます充実した毎日だ。

これからも進化し続ける《TOY POP》から目が離せない。

あそびの専門店『TOY POP』

鳥取県米子市両三柳597-2(博愛病院裏) 
TEL/FAX 0859-24-2434
『TOY POP』ホームページ http://toypop555.kt.fc2.com/
※ 科学教室、バルーンアート、バルーンの飾りつけ、ボードゲームサークル等、お気軽にお問い合わせください。

(平成18年3月取材)

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