メディアトーク(松江市北陵)【連載#51】

今注目の双方向告知通信システム「知らせますケン」を開発し、この新事業で全国展開に取り組むメディアトークの目次真司社長に話を聞いた。

(取材・文章 tm-21.com)

30歳の若さでメディアトーク設立

メディアトーク 目次真司社長 

【今回の元気企業】 株式会社メディアトーク
代表取締役社長・目次 真司
(めつぎ しんじ・松江市)さん

〒690-0816
島根県松江市北陵町14
ソフトビジネスパーク島根
TEL (0852)31-7347 FAX(0852)31-7344
mail:info@mediatk.co.jp
メディアトークHP

 目次社長は1960年に松江市で生まれ、松江高専土木工学科卒業後、土木建築会社勤務を経験し、ケーブルテレビシステム及び情報通信システム関連の愛知電子(株)に入社。

 入社後、多くのケーブルテレビ施設の設置事業に携わり、仕事をこなすうちにメーカー主導で進められる仕事のやり方に疑問がでてきた。
「ケーブルテレビの設置はメーカーがほとんど全ての責任を負う形で施設構築を行い、設計も施工も一つの会社が行っていました。設計段階から様々な可能性を検討して1番安くて品質の良いサービスを提供してくれる業者を選んでいけばもっと安く、管理・運用しやすいサービスを提供できるのではないかと考えたのです。」

 そしてこれら思いは日増しに強くなり、
「自分自信の考え方に基づいてケーブルテレビ局立ち上げの仕事をしていきたい。」と思うようになった。こうしてメディアトークは設立された。目次社長30歳の若さでの起業だった。

  メディアトークは目次社長のこれまでの土木建築業、ケーブルテレビ設置業務の経験を生かしたケーブル専門の設計コンサルタント会社だ。
主な業務はケーブルテレビ事業立ち上げから企画立案し、設計・施工そして施設メンテナンスはもちろん、運営サポートまで対応する。設置工事、メンテナンスまでは対応できるところは多いだろうが、地域事情に合わせ、どう運営していくか、ソフト面までサポートするという、全国でも珍しいビジネスモデルとして、注目を集めている。

  ちなみに、なぜ30歳の若さで?と尋ねたところ…
「実は、27歳のときに会社の社長に‘お前の将来の夢はなんだ’と聞かれ、その当時、日々の仕事におわれていて、答えられなかったんですよ。それが悔しくて忘れられなかったんですよ。今考えるとあれを切っ掛けに何かやってやるって思ったのかもしれませんね(笑)。」と、少し照れながら話した。
根は負けず嫌いの性格のようだ。今日の成功の秘密を垣間見た気がする。 

会社コンセプト 『住民(利用者)のことを一番に』

 

メディアトーク本社外観と事務所風景

メディアトーク本社全景と社内
コテージ風の開放的でオシャレな事務所

 「住民(利用者)のことを一番に考えて、なるべくコストを抑え良いサービスを提供したい。でも、お金を使うべき所にはしっかりかけて。完成納品したら終わりじゃなくて現場での利用や保守のことなど、先々のことも考えて設計するんです。また、いつでも(お客様に)選んでいただけるように、また、満足していただけるように日々自社の技術を研いていかなければならないんです。」

 目次社長の話には「現場」「住民(利用者)」という言葉が頻繁に出てきた。現場主義とでも言えばいいのだろうか。とにかく現場、住民(利用者)のことを最優先に考えている人だ。

新規事業展開のきっかけ

 メディアトーク設立後、住民のことを最優先に考えた仕事が周囲に認められ、次第に口コミで仕事の話が入って来るようになってきた。そうした中で、ある市町村自治体のケーブル回線設置案件に取り組んでいるとき、当時の町長に
「そんなにお金をかけて回線を整備して、実際に町民の生活は豊かになるのか?」と問われた。
このとき明確な答えを言うことが出来なかった。

 起業のときもそうだったが、この言葉を忘れることが出来ず、次第にケーブルテレビ設置だけでなく、その回線をどう利用して、豊かで便利な生活ができるか、コンテンツサービスの提供を考えるようになった。
このときの出来事が新商品開発(新規事業展開)のきっかけとなった。

双方向告知通信システム「知らせますケン」開発

 

双方向告知通信システム『知らせますケン』のデモを行う目次社長

双方向告知通信システム『知らせますケン』のデモを行う目次社長

 小さな子供が被害者となる事件、高齢者の事故、そして全国各地で起こる自然災害など、さまざまなことが懸念される時代、情報があふれていながら、必要な人や場所に届かない。
「今までの有線放送、オフトークなどでは、情報が一方通行。重要な情報もその場で放送を聞いていなければ、まったく意味のないものになってしまう。」
 こういったの問題とケーブル回線の利用方法を考えたときに一つの答えが浮かんできた。それが「知らせますケン」だ。

  「知らせますケン」はメディアトークと松江高専、ネットワーク応用通信研究所の3者によって開発された通信システムである。ケーブルテレビインターネット回線とNTT東日本が販売しているフレッツフォン(端末)を利用し、画像、動画、音声を各家庭に配信して好きなときに見てもらうサービスである。操作は誰でも簡単に使えるように、銀行ATMなどでも採用されているタッチパネルで操作ができる。パソコンの知識の無い人でも簡単に操作が可能となっている。

 このままだと従来からあるサービスと特別な違いはないが、「知らせますケン」は送信した情報が届いているかどうか、送信者側でわかる仕組みになっている。
 例えば災害や学校から保護者への緊急情報などを送信すれば、受信者が「見たよ」と送信しなくても、情報をちゃんと見たかどうかが一目で分かるようになってる。情報の届いていない人が確認でき、すばやい対応が確実に取れる。

 これこそ、安全で豊かな生活を提供できるコンテンツといえないだろうか。さらにこの知らせますケンはEメール、ホームページの閲覧はもちろん、テレビ電話の機能も備えている。 

 昨年度は、経済産業省の情報家電活用モデル事業に選ばれ、NTTと協力して、鹿児島県薩摩川内市と福島県磐梯町で実証実験が行われた。その結果、利用者から好感触を得ている。有線放送やオフトークに代わる新しいサービスとして自治体の他、各種団体から注目を浴びている。

『知らせますケン』
   PRデモ用ムビー
※ ご自分の環境に合わせ、以下のファイルを選択しクリックしてください。
■Flash版 《Flash版》
■WindowsMediaPlayer版 《128KB:約4.5MB》 《265KB:約9.6MB》
■RealPlayer版 《128KB:約6.7MB》 《265KB:約10.5MB》

 余談だが、ネーミングもお年寄が呼びやすいように横文字は避け、出雲の方言「~だけん」(~だから、~だよ の意)と犬(けん)を引っかけ洒落が効いているところが心をくすぐる。
ちなみに、実際の画面上でも犬が未読の情報を知らせてくれたりと、随所にお年寄に親しみやすい仕掛けを盛り込んである。

今後の展開

 

増築予定の本社事務所完成図

事務所増築 完成模型

 目次社長は「知らせますケン」をオフトークなどの有線放送に代わる、新しい告知システムとして売り込んでいく予定だ。 安全・安心・便利など利用者に喜んでもらえるサービスは何か?「知らせますケン」を通して提供するコンテンツの充実を目指す。

 計画では、今秋までに事務所を拡張し、ソフト・コンテンツの研究部門と製造開発部門を立ち上げる。そして、今後3年間で、従業員数を現状の23人から43人に増員、3年後には売上高を現在の2億千5百万円から5億円を目標に掲げている。

 「知らせますケンを利用して、これまでよりも生活が豊かになれば。」

 今後、目次社長の思いと共に「知らせますケン」が全国の家庭に普及する日もそう遠くはないかもしれない。

企業プロフィール

社名
株式会社 メディアトーク
代表者
目次 真司 社長
住所
〒690-0816 島根県松江市北陵町47
           ソフトビジネスパーク島根
TEL  0852-31-7347
FAX 0852-31-7344
mail info@mediatk.co.jp
設立
1990年10月
資本金
2000万円
事業内容
・有線テレビジョン放送(CATV)企画設計コンサル
・コンピュータソフト(CAD)の開発・販売
・通信衛星(CS)受信施設設置その他
URL

メディアトーク公式サイト

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