シックスプロデュース有限会社(島根県邑智郡邑南町)【連載#52】

若干23歳の若さ、大学の学生掛け持ちで、国内三例目の自然放牧牛乳へ挑戦!!
シックスプロデュース有限会社 州濱正明さん

シックスプロデュース有限会社 代表者・州濱正明(すはま まさあき)さん 

【今回の元気企業】
シックスプロデュース有限会社
代表者・州濱正明(すはま まさあき)さん
シックスプロデュースHP
〒696-0103
島根県邑智郡邑南町矢上3531-7
TEL(0855)95-0118 
FAX(0855)95-0136
mail:eco@sixth-produce.co.jp 

 カルシウムや鉄分など、あらゆる栄養素を含んだ牛乳は日本人にとっても大切な栄養源の一つである。

 その一方で、大量に廃棄されるなど日本人の牛乳離れも耳にする。

 そんな中、州濱正明さんは“美味しい牛乳”の生産に力を入れている。

 若干23歳の州濱さんに、農業への夢を聞いてみた。。

 

 (取材・文章 多々納 健一)

 

国内三例目の自然放牧牛乳

 

ジェラートは季節感たっぷり

ジェラートは季節感たっぷり

  “六次産業の創造と創出”を意味する「シックスプロデュース」とは、農業などの一次産業と加工業を中心とする二次産業、そしてサービス業などの三次産業を合わせたもの(1+2+3の意)。
分野の壁を越えて、総合的なプロデュースを目標としている。

 自然放牧の形をとる畜産農法は国内でも州濱さんを含めて三例しかなく、様々な点において難しさを物語っている。そこに、あえて挑戦した州濱さん。

 きっかけは、家業を手伝っているときのことだった。

何かやりたい

 23歳。今も島根県立大学の学生である州濱さんだが、起業の意識は大学入りたての時から既にあったという。

 「いろいろと考え「何かやりたい」という思いはありましたが、それがなんだかわからなかった」。学生生活を送りながら、その「何か」を模索する毎日。しかし、それを見つけるきっかけは意外と身近なところにあった。

 実家が営む牛乳卸業。その仕事を手伝っていた時にお客さんからよく聞いた話があった。70、80代の方々が口々にする言葉。

 「昔の牛乳が忘れられない」

 州濱さんの世代はほとんどがパック牛乳。“昔の牛乳”の意味がわからなかったが、よくよく聞いてみると、戦前のヤギの乳やほとんど無加工の牛乳のことだった。今の牛乳の味には違和感があるということだったのだ。

手探りの起業

 

工房四季は“香木の森”のすぐとなり

工房四季は“香木の森”のすぐとなり

 「昔の牛乳」、「なにかやりたい」
二つの言葉が頭を駆け巡る中、ある牛乳に目が止まった。

 “自然放牧牛乳”  
 岩手の中洞牧場が、戦後から続く自然放牧牛乳の先駆者として有名だった。早速現地を見学した州濱さん。広い牧場に放たれた牛達から搾取された牛乳を飲み、その味に感銘を受けた。

「何かやりたい」から「これがやりたい」。そして「昔の牛乳」。
州濱さんのターゲットは決まった。

 しかし、そこからも困難の連続だった。まず放牧に必要な広い牧場。放牧でも生息できる種類の牛。そして、必要な知識。

 資金調達のために銀行へ日参するも、知識も無ければ前例も少ない挑戦にあっさり貸してくれるわけも無かった。あらゆる面で協力してもらえるパートナー探し。これには約一年を費やすことになる。そんな時、州濱さんに理解をしめす人達が現れた。

理想は完全放牧

 

広い牧場に放たれた“牛君”たち

広い牧場に放たれた“牛君”たち

 手探りで始めた放牧牛乳も、州濱さんの情熱が伝わり地元企業や地主さんたちも徐々に理解してくれて、大田市郊外の農場に乳牛を2頭放牧することができた。少しずつ、“牛歩”の如く牛の数も増え、今では約20頭。そして05年の暮れには、邑南町の『香木の森公園』近くに牛乳の殺菌加工やジェラートを製造できる工房を建設した。

 工房では、63度で30分間加熱する低温殺菌。この方法が牛乳本来の風味を残し、濃厚な牛乳が自然なまま味わえる。そしてジェラート。新鮮な牛乳を素材としたジェラートに季節によって変わる地元の素材などを織り込んだ十数種類の味が用意されている。

 2頭からスタートした自然放牧牛乳もこの夏は、約20頭。牛乳の生産量も、1日あたり100㍑になる。
「あまり多すぎず、できる範囲で生産できればいいと思います。品質にこだわり、いいものを作り続けたいですね」と話す州濱さん。そして、
「将来は里山での完全自然放牧で、自然公園のようなものにしたいと思います」と熱い夢を語ってくれた。

会社プロフィール

社名
シックスプロデュース有限会社
代表者
州濱 正明(すはま まさあき)
設立
2004年7月 / 資本金320万円
住所
〒〒696-0103 島根県邑智郡邑南町矢上3531-7
TEL (0855)95-0118   
FAX (0855)95-0136
mail eco@sixth-produce.co.jp
事業内容
・乳牛飼育・生乳生産
・牛乳・ヨーグルト・アイスクリーム等乳製品の製造販売
・ハーフドライトマト等のハーフドライ商品製造販売
・グリンツーリズム・環境教育等の体験プログラム
URL

http://www.sixth-produce.co.jp/ 

 

 

 

 

 

 

 

平成18年6月取材

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