ワコムアイティ(島根県松江市)石見銀IC小判プロジェクト【連載#55】

世界遺産登録を目指す石見大森銀山を舞台に、ITを活用した「石見銀IC小判プロジェクト」でまちづくり、地域資源活用、観光交流、地域福祉に期待膨らむシステム開発のワコムアイティ。

石見銀IC小判プロジェクト??

(取材・文章 tm-21.com)

ワコムアイティ 今岡専務 

【今回の元気企業】
株式会社ワコムアイティ
(wacom-it co.,ltd.)
島根県松江市北陵町43番地
(写真:プロジェクトリーダー今岡克己専務)
遊び心、夢いっぱい!楽しくて楽しくて!
という今岡専務

「石見銀IC小判プロジェクト」 何これ? 

水戸黄門とインターネットが合体したような??

なんだか面白そうと平成18年10月28日(土)ソフトビジネスパーク島根テクノアークしまねで開かれた「しまねITまつり」の会場へ、プロジェクトリーダーの(株)ワコムアイティ今岡専務を訪ねた。

小判がざくざく

テクノアークしまねでの「しまねITまつり」会場に、「石見銀IC小判プロジェクト」のブース、銀色の小判、千両箱、なんだか日本刀まで飾ってあった。

銀色の小判がざくざく、長さ16センチいわゆる小判型より少し細長い、全体に金槌で打った横じまのつち目が入っている。

「御取納」の文字が浮かび上がっている。「おとりおさめ」と読む。
これは、毛利元就が石見銀から鋳造した丁銀、「御取納丁銀 おとりおさめちょうぎん」というものだ。

石見銀山遺跡

「しまねITまつり」会場の「石見銀IC小判プロジェクト」展示ブース。
多くの見学者やマスコミ取材に対応する今岡専務。

「しまねITまつり」会場の「石見銀IC小判プロジェクト」展示ブース。
多くの見学者やマスコミ取材に対応する今岡専務。

世界遺産を目指す石見銀山遺跡、1526年頃から400年にわたり銀を採掘、当時は世界的に有名で、島根県の田舎ながら、すごいところだったらしい。
戦国時代はこの宝の山をめぐって、尼子と毛利の争奪戦が繰り広げられることとなる。

御取納丁銀、毛利元就が正親町天皇(おおぎまちてんのう)に即位の費用として用立てるため特別に作った小判、それで「おとりおさめ」という文字が入っている。

この小判、本物はたった1枚、県立博物館の奥に眠っているらしい。
来年3月、大社町に開館予定の古代出雲歴史博物館で展示されるようだ。

毛利家の子孫が、アメリカにわたっていた1枚を買い戻したものとのこと。
IC小判を見ても、そのデザインの大胆でエレガントなこと、本物を見てみたいものだ。

世界遺産の候補地「石見銀山遺跡」、 立派な建物が残っているものでも、すばらしい絶景でもなく??という気がしなくもない。
しかし、当時の様子がそのまま、竹や草・木の下に残されている遺跡は世界中でも他に無いようだ。
秘境ではなく、人が生活している場所に、そのまま自然が残されている、そんなことがすばらしいのかな?なんて、何も知らぬシロウトは考えた。

IC小判で何するの?

IC小判

IC小判。小判の裏にはICチップが貼ってある。

ICですから、小判の裏にはICチップが貼ってある。
「島根県所蔵「御取納丁銀」をモデルにしています。収益金の一部は地域環境保全に還元されます。NPO法人納川の会。」と書いてあった。

この小判を千両箱にかざすと、しゃべりだした。日本語・英語・中国語・韓国語・子供用とあって、なんと観光ガイドを音声で案内してくれる。
各施設に千両箱(これが端末になっている)が置いてあり、観光情報が得られるということだ。
小判には、自分が回った施設の情報が記録され、現在位置もわかるという。

ちょっとここで、山川さん一家の石見銀山観光旅行ということで、IC小判の機能をイメージしてみましょう。

  • 石見銀山、公共交通機関が少ないから、観光客はマイカーで訪れるだろう。
    さて、お父さんお母さん子供2人の山川さん一家、駐車場に到着、そこで家族1枚ずつIC小判をもらった。
    IC小判には駐車場の入場時間が記録されている。
  • いろんな施設を回ると、小判を千両箱にタッチ、観光ガイドをしてくれた。
    子供たちも、わかりやすい説明で楽しく回ることが出来た。
  • 小判には、電子マネーも組み込んであり、入場料・お昼ご飯・アイスクリームも、小判でゲット。
    お土産の小判チョコもゲットした。
    お母さん、小銭が要らなくて便利ね。
  • 駐車場へ戻ると、小判を渡して駐車料金を精算して、電子マネーは500円残っていた。
  • お母さんは、それは地域環境保全のために寄付して帰ります、とね。
  • 小判は思い出に、我が家へもって帰った。
  • 山川さん一家は我が家に帰ってから、ICチップのIDナンバーを利用して、回った施設のホームページを見て、思い出話に花が咲いたとさ。

いかがです。何をするかわかりましたか?

(株)ワコムアイティとNPO法人納川の会

IC小判を千両箱にかざすと、観光ガイドを音声案内してくれる。
日本語・英語・中国語・韓国語・子供用とある。

IC小判を千両箱にかざすと、観光ガイドを音声案内してくれる。
日本語・英語・中国語・韓国語・子供用とある。

(株)ワコムアイティは全国的な知名度を有するソフト、システム開発のIT企業、数々の企画提案やシステム開発で知られている。
NPO法人納川の会は石見銀山遺跡を世界遺産にという仲間が集まり、地域環境保全とまちづくりのために立ち上げた。
この両者が手を組み、石見銀IC小判プロジェクトを企画提案した。

島根県のIT(情報産業技術)を活用した地域産業の創出及び高度化支援事業に企画提案した。
35件の応募があったなか、「石見銀IC小判プロジェクト」をはじめ、9件が採択された。

10月28日の「しまねITまつり」が初おひろめ、11月3日~5日の連休には、石見銀山遺跡で小判が無料配布される。(イベント詳細は↓のパンフ参照)

石見銀山パーク&ライドのパンフレットPDF(島根県ホームページにリンク)】

そして、来年2月ごろからの運用開始、来年5月連休が本番。

(株)ワコムアイティの今岡専務、これから全国展開していくという。

全国展開???

佐渡金山、足尾銅山・・・・・・金小判に銅小判ですか?

もちろんそれもあり。

ITを活用し、まちづくり・地域資源の活用・観光交流・地域福祉など、これからも様々な企画提案を続けていく。

あそび心 やわらか頭 熱い想い ワコムアイティのキーワードかもしれない。

会社profile

(上)ソフトビジネスパーク島根にあるワコムアイティ本社。
(下)多久和 厚 代表取締役社長

(上)ソフトビジネスパーク島根にあるワコムアイティ本社。
(下)多久和 厚 代表取締役社長

社名
株式会社ワコムアイティ
wacom-it co.,ltd.
代表者
多久和 厚 社長
住所
〒690-0816
島根県松江市北陵町43番地
 ソフトビジネスパーク島根
TEL  0852-20-7200 
FAX 0852-21-8729
設立
1993年3月
資本金
4,900万円
事業内容
・SI(システムインテグレーション)
・コンピュータネットワークシステムの構築
・Pen Softwareの開発
・コンテンツ制作
URL

http://www.wacom-it.co.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成18年10月28日取材

石見銀ICプロジェクトの概要を解り易く図解した説明書です。(PDFファイル180KB)
元気人トップ |会社案内 |業務案内 |スタッフ紹介 |個人情報の取り扱い規定 |プレスリリース |

このサイトは、tm-21.comのCMSWebPage21(登録商標)で作成しています。

copyright(C)tm-21.com.all rights reserved.