有限会社いけがみの専務取締役小森啓子さん(米子市)【#連載86】

甘いモノを食べるとすごく幸せな気分になる。疲れている時には気持ちの切り替えになり、落ち込んでいるときには、気分がすこし上がったりする。これはまさにマジック。だんごや萌音(米子)だんご茶屋萌音(松江)を運営。

(取材・文章 tm-21.com)

有限会社 いけがみ 専務取締役
小森 啓子 さん

【今回の元気人】 
有限会社 いけがみ 専務取締役
小森 啓子 さん
〒683-0811 鳥取県米子市錦町2丁目205
TEL 0859-22-7863
FAX 0859-22-1818
ホームページ  もち、だんご、和菓子のいけがみと萌音

 女性が惚れる女性

有限会社いけがみは、昭和38年の創業以来、餅・赤飯・和菓子の製造・販売を行ってきた米子に本社を持つ企業。無添加・地産地消にこだわり、安心して食べてもらえる製品を提供する姿勢を貫いてきた。平成4年に小売り部門として「だんごや萌音」を設立する。2号店として松江に「松江だんご茶屋 萌音」もオープンさせた。

出店することは念願であったが、他部門の支えがあるからこそ実現出来たと、小森さんは語る。
基礎が出来ていないのに、上ばかり見てもぐらつくという思いからだ。
念願の出店が叶っても、ままならないことも多々あったようだ。

よかれと思って始めたことも、お客さんとのニーズが合わず方向転換を迫られたこともある。
落ち込むことはなかったのかと聞いてみた。「もちろん落ち込んだけれども、何よりも働いている人たちの生活がかかっていましたから。迷っている時間は無かったし、ひたすら走るしかなかったのですよね」瞬時に返ってきた経営者の答えだった。

「若い頃は本当になにも知らなかったの」と小森さん。学生時代と結婚で地元を10年近く離れていた時期もあった。しかし、この仕事に就いてさまざまな経験をしてきた。失敗を繰り返してきて強くなったというのが答えのようだ。  

仕事の醍醐味

苺ミルク大福(上)としゃぶしゃぶ餅(下)

お餅の厚さはミリ単位で味覚が変わる!!いけがみ、今の一押し商品だそう。しゃぶしゃぶ餅。

掲げる目標は、結果が目に見えるものでないと動けない性格らしい。結果ありきと言うが、曖昧なものには過程が見いだせないこともあるのだろう。これはとても合理的だと思った。

自分の手で、試行錯誤を繰り返しながら乗り越えて問題を解決することで力を蓄える。そして、結果を出していくことで、達成感を味わい、楽しさを覚えていくのだ。

この姿勢は、いけがみの従業員に対する姿勢にもつながっているようだ。
少しハードルの高い課題を振ってみることもあるそうだ。迷いながらでも仕事の仕方を覚えていき、やりがいを見いだし次につなげていく。そして、会社での役割を認識する、言い換えると自分の仕事にプライドを持つということだ。

いけがみは18名の少数精鋭の企業だ。それぞれが役割意識を持っていないと動かないのだろう。

専務という肩書きを持ちながら、小森さん自身も工場に入って商品を作る。
「確かにずっと椅子に座って、いわゆる経営者になりたいと思うこともあるけれど。でも、なかなそうはいかないのが現状で。それに責任者が現場をきちんと知っていないというのはダメだし、第一に現場が大好きだからね」笑ってそう答えた。

堅実な経営者という顔を見せながら、斬新なアイデアの持ち主という部分も併せ持つ。
代表格といえるのが、“しゃぶしゃぶ餅”だ。

 

 

 

こもち

いけがみの原点、小もち。原材料がはっきりと分かるものしか使用しない、シンプルな商品だからこそ違いが出る、いけがみのこだわりの結晶です。

厚さ4ミリのこの餅、火の通りの良さを追求しただけではなく、餅本来の食感と風味を残したまま楽しめる厚さだそうだ。そして違うのは、境港産の紅ズワイ蟹の身とキチンキトサンの豊富なパウダーを入れた“蟹入りしゃぶしゃぶ餅”と、山陰特産の天然板わかめを細かくして入れた“わかめ入りしゃぶしゃぶ餅”。420円で味わえる高級感。お財布が厳しい冬の鍋にかけられた魔法。ぜひ、今年がんばったご褒美にどうぞ。

もちろん、いけがみ自慢の餅の味がストレートに楽しめるプレーンで餅ピザを楽しむのも一興。
あなたのアイデアで、一年間を楽しむのもおもしろいかもしれない。

命をつなぐもの

黒豆大福(上)と小餅(下)

最近リニューアルされた『黒豆大福』。中に入っているのはこだわり厳選された小豆です。

当然のこと、冒険が楽しめるのも土台があってこその話。
いけがみのこだわりには、保存料・防腐剤は使わないことはもちろん、原材料について地産地消をモットーとしていることだろう。食の安全が叫ばれる昨今、それは必須条件かもしれない。その後ろには多大な労力が隠れていることも事実だ。

その日に作ったものしか出さないというのも、こだわりの1つだ。
杵でついた餅米は、その日についたものでないとすぐに固くなるそうだ。翌日にも使うということは当然できない。だからこそ、毎日、早朝から工場は動くのだ。そしてこのやり方は、余剰分を最低限に抑えるためのバランスも必要とされるだろう。動く労力と読み取る労力の双方を要求されるのだ。

原材料についても、自分たちの目で見て確かめて契約を結んでいる。自分達で確かめることで、確実な安全性を提供したいという思いからだ。とかく“正直者がむくわれない”風潮の世の中だからこそ、“食べる人も作る人も誠実さが報われたら”という願いが込められている。

出会いもあった。人気の“黒豆大福”はリニューアルが図られたのだ。大山の山麓で育てられた大納言。この小豆と出会ったとき、その大きさとしっかりとした豆の味に驚いたという。この小豆を使うことで一段と豆の味が引き立つようになったという。定番と思っていたモノが、さらに良くなることは、小森さんにとっても新鮮な発見だったようだ。

生産者側のこだわりだけでは、消費者に届かないことも忘れてはならない。そのために少し厳しめの課題が店舗スタッフに出された。危機感をもつことによって、改めて原材料の生産者、作り手、ひいては商品への敬意をはらうようにするためだそうだ。

時間とそれに関わる人々の労力や思い。どれが欠けても私たちの口に入る“いけがみ”の製品はあり得ないのだろう。これがブランド力というものかもしれない。

「より良いモノを提供しようとすると必然的にそうなっちゃうの。普通のつもりでやっているから、特別なことをしているという思いはないのだけど。うーん、好きだからこそ楽しいし、出来るのかも。もし、そうでなかったら動けないし、アイデアも浮かばないでしょうね」

特別なことを当然のレベルで行っている、ブランドの底力がなせる技だろう。

和風庭園のある甘味処

米子店

萌音 米子店。米子駅からほどよく近く、お買い物の途中によっていただくお客様が多いそう。

16年前、小売店を出すなら団子も加えたいという長年の思いから“だんごや萌音”が誕生した。当初は、喫茶スペースがない予定だったのだが、ひょんなことから喫茶スペースが生まれた。当時、団子を店内で食べられるという店はなかったのだ。

小森さんは、偶然という言葉を言わない人だ。アイデアを引き立たせるための、スパイスのようなアイデアというのは、明確かつ実現可能なアイデアを持つ人の元にやってくるようだ。
絶好のロケーションが望めるお店という願いもかない、松江城のほとりに“松江だんご茶屋 萌音”もオープンさせた。

夢は叶ったように思えるのだが。
「実は、米子に出店するとき周りを見たら、これだって思えるお店がなかったの。だから、あのとき自分の中で思い描いたような店を出すことが夢かな。小川が流れる里山のような雰囲気のある庭と、茅葺き屋根のお店なんて情緒があっていいなと思って。そこで、限定でランチも出したりしたら素敵だなと。こだわりのお米に美味しいおみそ汁、美味しい漬け物があって、煮物がつく。素朴だけど、それだけで幸せになれそうよね」

想像しただけで、お腹が空いてきそう。そんなお店あったら絶対に行っちゃう!

今年もあと少しですが、来年の抱負は?
「先を見すぎてしまう所があって、今年は随分走り回ってきたので来年は少しゆっくりしたいなと。結果が見えないと、ついついいろいろなコトに手を出してしまうのだけれど、何かを作り上げるためにも育てる時期が必要。今年は種まきの時期。来年は夢を叶えるための時期としたいですね。まだ超えなければいけないハードルもあるし」

松江店

2008年にオープンした松江だんご茶屋萌音。松江城、お堀のすぐ側の風情あふれるローケーション。観光のお客様が多いのが特徴だそう。

来年も忙しそうな予感が・・・・・・充実している時って時間が足りない感じになるから(笑)

「時には全部忘れて、遊びに出ちゃうのも大事。気持ちを切り替えてまた夢中で走ればまた違うものが見えてくから」

素敵なオトナは気持ちの切り替えを忘れていない!

こだわりの一品を食べてみた

萌音 松江店

新商品『苺みるく大福』は上質感、高級感という言葉がぴったりな苺大福

早速、12月1日に発売されたばかりの新作“苺みるく大福”を食べてみた。
苺大福はポピュラーだけど、苺みるくとは初めて。
大山育ちの元気な牛のミルクと大粒の苺の組み合わせ。ネーミングもキュートなら、この組み合わせに小躍りしちゃう方もいるのでは。
切ってみたら、苺のさわやかな香りがするっ!(驚く筆者・・・・・・)
 
では、さっそくいただきま~す!

甘酸っぱい!甘すぎない!みるくとのハーモニーが最高~!!

苺も柔らか過ぎず。この時期にこんな美味しい苺に出会えたこと感激。

みるくがまた程よい甘さ加減で。しっかりみるくの風味はあるけど、これは牛乳の苦手な方も甘いのが苦手な方もお薦め(筆者はやや辛党の上に、牛乳が苦手)。

こだわりのお餅も程よい厚さで、すごく柔らかい。お米の味はしっかりするのだけど、苺とみるくの組み合わせにぴったり!

重たさもあまり感じられないので、普通の苺大福より軽く食べられる!

たまには、落ち込むこともダイエットも忘れて思いっきり食べたらぜったいにいいのに。
一口食べたら幸せになれるし、うつむいて我慢してばかりじゃ、楽しくなんかない!

とても幸せな気持ちになって、また頑張ればいいのだから。

これぞまさに“マジック”。

■いけがみの味はここで楽しめます!!アクセス方法等、詳しくはホームページをご覧ください。
米子だんごや萌音
松江だんご茶屋萌音
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