手づくりケーキ『すのうはっと』 店長 中島美和子さん(島根県出雲市)【#連載88】

スイーツは別腹といいますが、おおいしいケーキと聞くと、女性はどこまでも・・・。出雲市小山町に「すのうはっと」という、美味しいケーキがあると聞き、たずねた。
手づくりケーキ『すのうはっと』 店主 中島美和子さん(島根県出雲市)【#連載88】  

今回の元気人

手づくりケーキショップ すのうはっと

店長・中島 美和子さん(写真左、S33年生まれ)
池田さん(写真右)

出雲市小山町359-3
TEL・FAX 0853-24-3690
HP:http://snowhat.biz/
ブログ: http://ameblo.jp/snowhat1988/ (ブログ)
メール:snowhat1988【@】yahoo.co.jp
※メール送信時は、【@】を半角@に変えてください。

すのうはっと

静かな住宅街の通り沿いに「すのうはっと」という小さなケーキ屋さんがありました。小さな看板のため、通りすぎて後戻り。ガラスの引き戸を開けると、ケーキの焼けるいい香りが迎えてくれました。

店長 中島美和子さんは、ちょうどケーキを焼いている最中、しばらく待つことに、ココアスポンジのケーキと生クリームののった、ウインナコーヒーを出していただいた。
実は、わたし生クリームがニガテなのです。

ココアケーキの生クリームを一口、あれえー。
生クリームのこってりした味がニガテなのですが、軽く口の中で溶けていきました。
これなら、食べられそう、ココアスポンジもふわふわ、甘さはほんとに控えめ、美味しかったですよ。コーヒーの生クリームも、相性ぴったりでした。

いただいた、ココアスポンジのケーキが「すのうはっと」、この店の看板ケーキだ。
ドーム型のココアスポンジをスライスして、生クリームを薄くサンドして6段に、真っ白な生クリームでおおったシンプルなケーキ、小枝に積もった雪の綿帽子のようなお菓子だ。

このケーキ、男性にも人気で、私が食べているときにも、制服姿のおじさんが一人、すのうはっとを2切れ買って帰りました。

この店は、店長 中島美和子さんが主婦から一転、ケーキ屋さんを始めて21年、子供のために作っていたケーキが友人に評判で、ケーキ屋さんをやってみたらの声に、軽い気持ちで飛び込んだ経営だった。

手づくりケーキ『すのうはっと』 店主 中島美和子さん(島根県出雲市)【#連載88】

すのうはっと 店舗外観と内観

中島美和子さん(S33年うまれ)

中島さんは温泉津うまれ、14歳で出雲市へ転居し育った。関西の大学を卒業する頃就職が決まっていたが、講師の話があり、就職を断って帰郷した。縁あって仁多・斐川町で講師として中学校で働いた。

最初は、お母さんが教員だったこともあり、本人は教員になりたくなかったと話す。忙しいお母さんを見ていて、子供心に寂しい思いが残っているという。
しかし、2年間ではあったが、教員の楽しさがわかったという。
今でも、その頃の教え子が来店し、ウエデイングケーキを注文したりすることがあるという。
ほんと、教師は大変ですがいいお仕事ですね。

この頃知り合った方と結婚し、専業主婦となった中島さん、どうやらじっとしていられない性格のようで、いろいろなことに挑戦が始まった。

まずはダンス、妊娠のため中断、ぼーっとしていたので嫁ぎ先のお母さんの紹介で大正琴を習い始めた。周りは自分の親世代ばかり、たった一人の若者だった。もちろん期待の星、この際資格を取得しようと頑張った。

大正琴は名古屋が先進地であり発祥の地、名古屋からこられるえらい先生の講習会を受け、次々と資格を取得、師範の免状をいただくまでに2年。
それからも、大正琴講師として教えていた。これは、ケーキ屋さんを始めてからも10年ほど続けた。

大正琴の先生と同時期、なぜか厚生年金会館でアスレチックのインストラクターもやっていた。ストレッチ体操やフォークダンスなど、中高年の生涯学習教室。
これは、夫の紹介で講習をうけてインストラクターとなった。最初にダンスを始めたくらいだから、もともと体を動かすことが好きだった。

主婦・子育て・大正琴にアスレチック、そしていよいよケーキ屋さんが始まるのだ。
なんて忙しい人だろうと思う、小柄で華奢な中島さんのどこにそのエネルギーがあるのだろうか。

看板ケーキのココア・スポンジ・ケーキ「すのうはっと」(写真上)とウインナコーヒー

看板ケーキのココア・スポンジ・ケーキ「すのうはっと」(写真上)とウインナコーヒー

ケーキ屋さん人との出会い

ケーキを始めて焼いたのは、26歳。子供のために焼いたケーキが今は店名にもなっているケーキ。本で見たレシピどおりに焼いていた。お友達や近所の人たちから美味しいと好評だった。
今の店の大家さんが、テナントを探しているという知人の紹介で、やってみるか。軽い気持ちで始めることとなった。

オープンするには大変な作業が多々あった。自分でも何をどうしてよいのかパニック状態だった。
そんな時、牛乳や生クリームを発注した牛乳屋さんが、みかねて松江市のケーキ屋さんを紹介してくれた。

オープン前日、松江のケーキ屋さんは同僚と一緒に4人応援に駆けつけてくれた。
3人のケーキ職人は手際よく次々とケーキを作り上げていった。

また、ダンスで知り合った仲間や知人が駆けつけ、オープンを手伝ってくれた。

20年程前、まだまだ手作りケーキ屋さんの少なかった頃、若い女性が一人で立ち上げようとする思いに、人々が集まってくれた。こんな出会いがうれしくてありがたかったと話す。

そして、松江のケーキ屋さんには当時はよく手伝いに出かけていったそうだ。もちろん、自分の勉強もかねて。今は皿洗いを手伝うことはなくなったが、時々顔を出すそうだ。
いい出会いを重ねて、月日はながれて行く。

オープンの頃、雑誌をみて東京の手作りケーキ屋さんを3軒訪ねて歩いた。その内の1軒のお店、雑貨店を経営しているが、手作りケーキを置いたらそれが評判になり、焼き菓子にクッキー中心のお店になった。

食べたクッキーが美味しくて、お話を聞いているとオーナーがレシピをあげましょうと言ってくれた。ホームメイドクッキー、懐かしい味だった。
ケーキは流行があって、常に新しいものを考えなくてはと思っていた中島さんは、シンプルで丁寧に作ったお菓子は、いつの時代も好まれることに気付かされた。

オープン当初はゆとりも無く、要領も悪く朝5時まで働いて、少しの仮眠で8時には店に出たという。若いから出来ることですね。

手づくりケーキ『すのうはっと』 店主 中島美和子さん(島根県出雲市)【#連載88】

お店の看板(写真上)と著作権(商標)登録証明書

知的所有権(著作権)とケーキ

すのうはっとのマークとこのケーキは、著作権登録がしてある証明書が置いてある。
ケーキ屋さんに著作権とは、聞いたことが無い。
この店で働いている、池田さんは知的財産所有権申請の資格を持っている。そのため、店のマークとケーキを登録したそうだ。
池田さんは、トラブルを防ぐためには守らないとねと話す。

店の壁には「東久邇宮記念賞」の賞状が掲げてある。これは、皇室三賞の一つで、池田さんが、知的財産権の普及に尽力したことで受賞したものだ。
中島さんの出会いの一つに、池田さんとの出会いも大きなことなのだろう。
中島さんも、池田さんに続き「東久邇宮記念賞」を、4月に受賞する。

美味しいケーキを作ることだけでは、経営は成り立たない。何も知らない主婦が始めた事業、様々な人との出会い、サポートによって21年ケーキを作ってきた。最大のサポートは家族であることは、言うまでも無い。

手づくりケーキ『すのうはっと』 店主 中島美和子さん(島根県出雲市)【#連載88】  

すのうはっと オリジナルストラップ

知健康と癒し

中学校講師から始まって、様々なことを経験してきた中島さん、だいたい2年で次に進んできた。ケーキ屋さんを21年続けてこられたのは、やはりお客様の美味しかったの言葉だと話す。

食べてうれしくならないと、美味しいとはいえない

ケーキ作りにも、健康へのこだわりを持っている。
地元の食材を使ったパウンドケーキ、出雲のそば粉や西出しょうがそして青汁でおなじみのケールを使ったもの、身体に良いとされる、βグルカンという酵母を使ったケーキにも取り組んでいる。試行錯誤しながら、少しでも健康に良いものをと励んでいる。

糖尿病の方は甘いものが食べられない。しかし、甘いものが食べたいものだ。
そのために、糖質0のケーキを作っている。ラカントという糖質の甘み成分を使用している。

ケーキは心のいやしですから、皆さんに食べてうれしくなってほしい。
そんな言葉に、ケーキ職人の心意気を感じた。

出雲バイパスをジャスコの通りでおり、大社方面へ。最初の信号を右折少しいくと通り沿いに小さなお店。看板が目立たないのでくれぐれもお見逃し無く。

今回掲載の元気企業データ

店名 すのうはっと
所在地 出雲市小山町359-3
創業 1988(昭和63)年
氏名 中島美和子(S33年生まれ 温泉津町出身)
業務 手づくりケーキショップ
連絡 TEL・FAX 0853-24-3690
ホームページ HP:http://snowhat.biz/ 
ブログ: http://ameblo.jp/snowhat1988/ (ブログ)

 

2009年4月10日取材

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