寺本 英仁(てらもと えいじ)さん【連載#42】

地元愛を世界に発信!!地域情報発信サイト みずほスタイル管理者

みずほスタイル”管理人の寺本英仁さん

【今回の元気人】 邑南町をネットで世界へ発信している元気人“みずほスタイル”管理者の寺本英仁さん。

浜田市から車で山あいの道を行くこと約1時間、そこはどこにでもある閑静な町、邑南町。
その閑静な町をにぎやかしている元気人がいると聞き、会いに出掛けた。
浜田市民の私にとって、邑南町(合併前の瑞穂町)は山奥の町、スキー場がある町ぐらいの知識しかなかった。そんな町が今、インターネットを中心に話題に事欠かないらしい。

待ち合わせはその方の職場である、道の駅 瑞穂。
そこには地元で作られたお米、野菜、調味料、手芸品・・・たくさんの温かい品々が並ぶ。値札シールには生産者の名前が明記され、壁には、出展者の方の名前と顔写真もたくさん飾られている。最近のスーパー等にも「私が作りました」との生産地と名前が記されていることが多いが、輸入物などに比べるとやはり安心する。

しばらくして現れたのは邑南町を世界へ発信している元気人“みずほスタイル”管理者の寺本英仁さんその人だ。
カメラ片手に、たったいま「ミセスみずほ」というコーナーの取材から帰って来たばかりだという笑顔からは、気さくで、ざっくばらん、親しみやすそうな人柄がにじみでている。

(取材・文章 佐古 有紀子)

きっかけは石見和牛だった

石見和牛

一度食べたらやめられない、寺本さんお勧めの石見和牛肉(詳しくはクリック
この広告も寺本さんの自信作のひとつ。

寺本さん自身が、幼い頃から食べ親しんできた石見和牛、お肉といえばこれしか知らないというくらい身近な食べ物すぎて、美味しいのは当たり前くらいにしか思っていなかった。

知り合いがある取材で来た時に石見和牛を食べさせ、口にした瞬間の言葉を待っていた。ところが、期待とはうらはらに、何の言葉もない。
「これ石見和牛だよ。」
「えっ、石見和牛?これって有名なの?」
この言葉が、寺本さんのこれからの人生を動かしたと言っても過言ではない。

確かに、松坂牛や神戸牛などに比べたら知名度は低いかもしれない。だが、それらに負けないほどの自信はある。
「こんなに美味しいのに、地元の人だけしか知らないのはもったいない。この石見和牛の美味しさをもっともっと知ってほしい。」
「それなら、ネットを通じて石見和牛の美味しさをアピールしてみたら?」
この言葉を聞いてから気持ちはどんどん膨らんでいった。そして、上司に気持ちをぶつけた。

苦悩の日々

寺本さん制作の広告チラシ

寺本さん制作の広告チラシ

ところが、石見和牛をネツト販売するに至るまでは並大抵のことではなかった。

まず、パソコンといえば、ワードとエクセルをつつく程度のもので、デザインの勉強や構成など、ホームページ制作会社の方と、連日明け方まで悪戦苦闘の日々が続いた。

寺本さんはその時の事をこう語る。
「何も知らない初心者だからこそ、恥とも思わず素直に解らない事を聞ける。それがかえってよかったと思う。」
そして、道の駅に置いてある広告を見ながら、「自分にこんな事が出来るようになるとは考えてもいなかった。」

広告やチラシを作ることについて、今でも、限りがない。だって、これが完璧なお手本というものがないから・・・

こうして、みずほスタイルは2005年7月1日オープンに至った。(みずほスタイルホームページ
その後も寺本さんの意気込みは落ちることなく、今もよりよいHP作りに向けWEBの講習に通い続けている。

地元の人の理解

道の駅瑞穂には瑞穂産直市生産組合生産者の皆さんの紹介が掲載してある。

道の駅瑞穂には瑞穂産直市生産組合生産者の皆さんの紹介が掲載してある。

邑南町のネット利用者はまだまだ低い。ましてやお年寄りが多いこの町で、こういったネット販売というものを、どう理解してもらえるか、またどう地元のネット普及を進めて行けるか悩んだ末に、まずネットを身近に感じてもらえるよう、道の駅の待合所にパソコンを2台設置し、いつでも誰でも利用できる環境を作った。

次に最初にあげた「ミセスみずほ」のコーナー(お友達紹介方式で、地元の人の我が家の伝統の情景・料理・生活をリレー紹介していく「笑っていいとも」のネツト版)を作った。

これによって、うちのおばあちゃん、隣の奥さんなど、身近な人を紹介していく事で、ネットへの関心を高めようとしている。

実際のところ、買い物に来られた人と、待合所のパソコンで操作する寺本さんを中心に、コミュニケーションの輪が広がっている。

趣味が高じて

瑞穂の情報発信基地 道の駅 瑞穂

瑞穂の情報発信基地 道の駅 瑞穂

みずほスタイルのホームページを見てまず感じたのが、画像が多いことだ。それは文章よりも写真を多く掲載することで見易く、親しみを持ってもらえればという思いからだ。これらの写真はすべて寺本さん自身が撮ったものだ。

実は寺本さん、趣味に「水中写真」と挙げているように世界の海に潜り、イルカや、マンタを撮影しているだけあって、写真撮影には自信がある。
実際、石見和牛肉の写真をトップページに掲載したとき、その写真を見ただけで美味しそうと注文が入った事もあるという。

地元では見慣れた黄色く実った稲穂のアップ写真についても、都会の人にとっては綺麗と反響が高く、瑞穂の良い所、良い物を広めたいという寺本さんの思いが得意の写真を通じて感じられる。

今後の目標

現在みずほスタイルの1日のアクセス数は約280くらいだが、メールマガジンでの情報発信の充実等を図り、目標は1日1000アクセスだ。

そして最大の収入源である県内外でのイベントの開催、出展する事により認知度が上がり、石見和牛を中心とした地元特産品の販売の増加に一段と力を入れる。

また来年はHPの管理者を地元以外でネットを通じ募集する。
なぜ地元以外の人なのか・・・  寺本さんは言う。
「新しい管理さんにはこちらに移り住み、生活してもらう事で地元の私達には分からない邑南町の良い所や、地元の人にとっては当たり前で気づかなかった事など、地元以外の人の新たな視点から情報発信をしてもらう為です。もちろん僕がしっかりサポートしていきます」と寺本さんの夢は膨らむばかりだ。

後記

寺本さんお勧めの石見和牛肉を早速ネットで注文してみた。
クール便で、木箱に詰められたきれいな肉を家族で堪能したが、こだわりを持って育てられた肉質は十分に脂ものり、やわらかくてとても美味しかった!


道の駅 瑞穂
〒696-0222 島根県邑智郡邑南町下田所260-3 
フリーダイヤル.0120-83-0218/TEL.0855-83-0208/FAX.0855-83-1215
メール info@mizuho-style.com

2005年9月取材