島根を元気にNPOGassho(ガッショ)と代表佐藤大典さん【#連載68】

「起業家マインドを高める事で、しまねが活性化する」と、胸を張って話す佐藤大典さん。

(取材・文章 多々納 健一(たたの けんいち

 佐藤大典さん
 

【今回の元気企業】
特定非営利活動法人Gassho
代表 佐藤大典さん
〒690-0064 島根県松江市天神町114
tel:0852-28-9266 fax:0852-28-9253
http://gassho.org/ 

地方と中央との間で、様々な場面において“格差”を生じている事が大きな問題とされている。

山陰地方の中小企業も例外ではなく、その多くが閉塞感の中で喘いでいる。

そんな中、「起業家マインドを高める事で、しまねが活性化する」と、胸を張って話す佐藤大典さん。

求められれば「いつでもどこでも、誰にでも応援に行く」という佐藤さんが率いる『Gassho』について聞いてみた。

 

Gasshoって?

Gasshoロゴマーク

Gasshoロゴマーク

たとえそこが六本木ヒルズだろうが銀座の中心であろうが、ペンキまみれの作業着で闊歩する。昨年末すみだリバーサイドホールで行われたイベントでも、会場を埋め尽くす500人の観衆の前で、彼はペンキまみれの作業服姿で力強く、しかし自然な語り口で話し出した。
「『Gassho』とは、出雲弁で“一所懸命になる”ということです。しまねが元気になることで、日本が、世界が元気になる。独りでは出来ない事でも、支えてくれる誰かがいることで、それは可能になる。それを一番知っているのは私です。私も多くの仲間に支えられました。だから、今度は私が誰かを支える番です。『Gassho』が、みなさんを応援します」
わずか10分のプレゼンテーション後、会場すべての人が佐藤さんの共感者となった。

きっかけは「しまね起業家スクール」

東京でのプレゼンテーション。堂々たるものだ。

東京でのプレゼンテーション。堂々たるものだ。

代表の佐藤大典さんをはじめ、メンバー全員が2001年から続けられている「しまね起業家スクール」の卒業生。ここでは、受講生それぞれが自分たちのやりたい事業を具体化し、選抜された数人がそれを発表する。

佐藤さんは第2期生で、その年の発表者となった。それまで自分のやりたい事がはっきりせず、フリーターだった佐藤さん。「起業家スクール」を受講したことで自分の方向性が定まった。その時の佐藤さんの事業案は、「塗装業をお客様の身近にする(ペイント教室・自転車ペイント)」と言うものだった。

しかし、なかなか形にならなかった。スクール後半、少しずつ形になったのは、同じスクールの仲間からの助言だったのだという。「受講生はメンターとして様々な助言をくれる。それがブラッシュアップの材料となり、徐々にですけど自分のやりたい事業がはっきりしてくるのです」

終了とほぼ同時に、独立創業した。

きっかけは「しまね起業家スクール」

毎週火曜に行なわれるミーティング

毎週火曜に行なわれるミーティング

Gasshoの今後の中心的な事業は「しまね起業家スクール」だ。講師の福島氏を招くだけでなく、より中身を充実させることが現在の課題であると言う。

「起業家にとってなくてはならないもの、それは“夢”を持つこと。それを実現させるために計画を立てる事。具体的に行動すること。そして、諦めずに続けること」と、佐藤さん。

「私自身、今でも悩みながらペンキ屋をやっています。でも、以前と違い、周りの皆さんの支えがあるので心強い。その心強さを不安ながらも事業をされている方や起業家のみなさんにお分けしたいのです」自分がもがき苦しんだからこそ言える佐藤さんの言葉には底知れぬ心強さがある。

 

しまね起業家スクール

講師に福島正伸氏を迎え、2001年から毎年続けられている起業家向けセミナー。2008年度は4月26日の第一回を皮切りに全12回で開催される。

詳しくはNPO法人Gasshoまで 

  • 連絡先:特定非営利活動法人Gassho
  • 〒690-0064 島根県松江市天神町114
  • tel:0852-28-9266 fax:0852-28-9253
  • http://gassho.org/

 

平成20年3月25取材