お料理ユニット「タパタパ」の二人のキョウコさん(松江市)【#連載85】

メニューの無いお料理を提供する「タパタパ」、どんなんかなあーとホンマキョウコさんとワカツキキョウコさん、二人のキョウコさんにお話を聞いた。

(取材・文章 tm-21.com)

お料理ユニット タパタパ (左)ホンマキョウコさん (右)ワカツキキョウコさん

【今回の元気人】 
お料理ユニット タパタパ
ホンマキョウコさん(右)
ワカツキキョウコさん(左)

島根県松江市
TEL&FAX
0852-61-5858
mail  tapa2mail@(半角)yahoo.co.jp
※スパム対策>メールの(半角)を取って送信してください。

 タパタパって?

「タパタパ」には、意味はないんです。でも、意味はあるんですよ。?????

二人のキョウコさんの名前、漢字がわからなかったのではありません。
お名前をきくと、最近はカタカナをつかっていますとの返事だった。
ほんわり、ゆったりと話す二人は、今はやりのユルキャラに思えた。

タパタパの由来はというと、二人で一緒に行ったスペイン。
スペインにはタパスという、小皿料理があった。いろいろな料理がならべられ、好きなものを好きなだけチョイスするものだ。

2人でタパスみたいに小皿料理で、あれもこれもって選べるようなお店やりたいね、って話をしていた。
たまたまいったスペインで(それもトレド地方のマサパンというお菓子を食べてみたくなって、それだけのために突然行った)偶然とっても楽しいお店にめぐり合った。
それがまさにタパスのお店でその名もタパタパ、だから旅のお土産にこの名前を持って帰った。

いただいた名刺には、タパタパと電話番号とメールアドレスのみ、何も書いていない。
裏には、「タパタパはお料理ユニットです。いろんなイベントとコラボレーションしたり、行楽シーンやランチのお弁当、ホームパーティーなどにお料理をお届けします。
テーマやご予算に合わせたタパタパの楽しいお料理やお菓子で、ちょっとドキドキワクワク、素敵な時間をお届けします。」

これだけです。あとは、猫が4匹小さく書いてあります。ううーん、おへたな絵です。

知人の所にこの名刺を置いてあるだけ、あとは口コミで少しずつお客様からの依頼が届くようになった。
「この名刺だけで、注文してくれる勇気あるお客様がいますよ。」笑ってしまった。

普通は、メニュー、料金表、お料理の写真とかあるでしょう。
この二人、仕事を成功させようとか、女性企業家です、なんていう気負いも何も無いようにきこえる。ユルキャラって、わかりますでしょう。

二人のキョウコさん

パンダケーキ(上)と世界地図ケーキ(下)

パンダケーキ(上)と世界地図ケーキ(下)

クラリネット奏者のキョウコさん、いまでも教えている。
演奏家として活動していたが、あごの骨に異常があり、遊びでは出来るが、本格的演奏は出来なくなった。

書道家のキョウコさん、現在も書道の先生をしている。

こんな二人が出会ったのは、しまね映画塾だった。
「しまね映画塾」は映画作りの楽しさ、人との交流を目的に2003年から始まった。塾長は、「うん何?」「白い船」の錦織良成監督。塾生は脚本、監督、演出、撮影とすべてを協力して、5分間の映画を作り上げる。

今年も、9月13日から美保関で撮影が始まり、11月16日美保関のメテオプラザで上映される。

二人のキョウコさんは、2003年からそれぞれに映画塾に参加していた。もちろん、今回もそれぞれのチームで参加した。
一人は監督、一人はカメラマンだそうだ。
二人は、表現することが楽しいと話した。

映画は完成ですか?
失敗してね、映画のことが頭から離れなくて、映画の話はしたくないです。
えらく、落ち込んでいた。

音楽家のキョウコさん、書道家のキョウコさん、お料理とは無縁の二人、それぞれお料理は趣味だったようだ。
出会ってから、家が意外と近かったりして、交流は続く。

ある日、クッキーを焼いてプレゼントした。お家の形をしたものだった。
後日、お返しにクッキーが届いた。
アパートの形だった。周りには人や車、樹木などが配してあった。すごい・・・・。
このとき、自分の夢や思いをこの人なら話してもいいと思えた。

二人の思いは、同じようなスタンスだった。表現すること、これが原点だった。

お料理ユニット誕生

節分のお寿司(上・中)と注文してくださったお客様へのオマケのオニのお菓子。水のしずくのような、ガラス細工のような飴細工(最下段)

節分のお寿司(上・中)と注文してくださったお客様へのオマケのオニのお菓子。水のしずくのような、ガラス細工のような飴細工(最下段)

先日、TVである企業の社長のトーク番組を見た。
「好きなことや趣味の延長上に仕事があったら幸せでしょう」と話した。
たしかにそのとおり、しかし、一般の人たちはそんなことを言っても無理だよと、言うことだろう。ちなみにその社長さん、好きなことを仕事にして、年商100億円だ。

二人のキョウコさん、共通の趣味お料理を始めた。
最初は、フリーマーケットやイベントに参加するものだった。
お料理でびっくりさせて、わくわくさせたい。そんな、自分たちオリジナル創作お菓子やお料理を面白がって作って、発表する。もうけたいなどは、全く頭になく、好きなことをして遊んでいる、そんな感覚だったようだ。

本格的にお料理ユニットをはじめた。

タパタパという、仕出し料理をやる若いお嬢さんがいると聞いたとき、最初に思ったことは、どうして仕出し屋さんなの?・・・・だった。

松江市内ではレストラン・小料理屋さん・旅館にホテルなどなど、たくさんお食事場所はあるでしょう。
どんなメニューを提供するのかなあ。どんな人たちがお客様なのだろうね。料金は高いのかなあ。

まして、若いお嬢さんなら「カフェ」「ビストロ」などなどやりたいと思うのではないか。疑問だらけだった。

これまでに創作した、お菓子やお料理の写真を見せてもらった。

結婚式のために作ったケーキ、マジパンで作った新郎・新婦が向かい合っている。ケーキの横には、棒がつきだしておりマジパンのお人形が動くようになっている。引っ張ると離れて、押すとくっつく仕掛けだ。カラフルなチョコや食べられるお花、果物で飾られカラフルで楽しいケーキだ。

巻寿司は太巻きの中に、桜やアジサイなどのお花、人の顔、いろいろな太巻きがある。子供たちは大喜びだろうね。

アンパンマンクッキーは顔を後から書いたものではなく、金太郎飴のように細工して作り上げた。切って焼くと同じ顔がいくつもできる。
おばあちゃまがお孫さんのために注文したもの、何度も試作を繰り返し、納得のいく顔になるまで、クッキーを作っては食べた。キャラクターものは、大変ですよとの言葉に納得。

面白い写真があった、水のしずくのような、ガラス細工のようなもの。
ガラス作家の作品展でのコラボレーション創作の一場面だった。
飴細工がガラスとみごとにマッチしている。
この展示会の面白さは、作品を見に来た人たちが飴を好きなだけ食べて、展示会終了時にはなくなっている、そんなコラボレーション、まあよくそんなことを考え付くものだと、芸術家の発想にびっくりだ。

ひとつひとつの写真に、物語があり話は尽きない。

注文主は若いお母さんから、おばあちゃんまで幅広いという。クリスマス・誕生会・プレゼント用のお菓子・おせち料理もある。お値段はご予算にあわせて、作るというが、ついつい気合が入って、予算オーバー赤字になることもあるそうだ。
赤字はいけません。いくらかでも儲けがないとお仕事ではないですよ。
おばちゃんは、ついつい親心になってしまった。

二人のキョウコさんは、家庭料理は苦手だそうだ。ケーキなら、見た目に美しくおいしいケーキをお求めなら、お気に入りの店にいかれればいい。
タパタパのタパフードはここにしかないもの、気持ちが楽しくなるワクワクするお料理です。

こんな言葉とお料理ユニット「タパタパ」、すこしわかってもらえましたか。

これからの「タパタパ」

星が乗っかってる二層のユズゼリー&ユズムース

星が乗っかってる二層のユズゼリー&ユズムース

ただいま自分たちの拠点つくりを始めたところだ。
一軒の借家を借りて、カフェを作る予定、来年1月には完成、友人の結婚披露宴を、タパタパで企画演出するそうだ。

なんだか、ほわほわしたお話ながら、着実に形にしてきているようだ。

すごいじゃないというと、最近、いきづまりも感じているという。
本当はもっと爆発するような、表現活動をしたいけれどね。
松江では、そこまでは受け入れてもらえないと思い、ついついおとなしめになってしまう。
お客様の注文が、かわいい系、キャラクターものになりがちで、なんだかねえ。

そんなこんなで、いきづまりを感じたりもすることがある。
しかし、いきづまったところから、表現活動は生まれてくる。
うんと悩んで考えて、創作とはそんなものかなと思うようになった、と話す。

カフェタパタパは、何にもすることないなあ、そんな時タパタパにいってみよう、そんなお店にしたいという。
また、ご希望にあわせて、パーテイーができる企画提案型。
自分たちの思いを一つ一つ形にしているようだ。

パンズラビリンス。映画のタイトルで、その映画上映のために作ったイメージお菓子

パンズラビリンス。映画のタイトルで、その映画上映のために作ったイメージお菓子

9月13日から10月19日まで毎週土・日・祝、松江水燈路が開催されている。
松江城、塩見縄手周辺は街灯を消して、ちょうちんの明かりとライトアップで演出される。タパタパは、北殿町の陶夢(陶芸工房)で、ライトアップされる夜にカフェを開いている。

10月4・5日は、松江城の興雲閣でカフェを開いている。
タパタパのことですから、レトロな興雲閣カフェどんなメニューが出てくるのでしょうね。あっと驚く、へええーとびっくり、そんな期待をしてしまう。
好きなこと、やりたいことを形にしていく二人のキョウコさん、楽しそうだ。

話す様子はユルキャラのまま。感じたままに、「おはなしを聞いていると、絵本のようだね」 その答えが「飛び出す絵本をめざしてます」
自由な発想で、夢を形にしていく勇気、やはり女性の時代でしょうかね。北京オリンピック、女性が大活躍してたでしょう、どうですか。

島根県松江市
TEL&FAX
0852-61-5858
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平成20年9月18日取材