島根にプロバスケット チームを!宮下博行さん・松江市)【#連載81】
宮下博行さん(昭和42年12月生)
会社名 (株)山陰スポーツネットワーク
取締役 チーフマネージャー
松江市東津田町在住
香川県善通寺市出身
TEL:0852-60-1866
FAX:0852-60-1867
公式ホームページ
http://www.probasket-shimane.com/
公式ブログ
http://blog.livedoor.jp/shimane_bb/
bjリーグってなあに?
Basketball Japan League 略してbjリーグ、2005年11月に開幕した日本初のプロ・バスケットボールリーグ、2005年は6チーム(仙台・新潟・東京・埼玉・大阪・大分)でスタート、その後毎年新規参入し、2010年のリーグ戦には16チームとなる。そのなかに島根県のチームが参入することが決定した。
プロスポーツといえば、まずはプロ野球、Jリーグのサッカー、Vリーグのバレーボール、そして相撲ぐらいしか、思いつかない。そのほとんどが、企業の名前を冠につけた、いわば実業団チームだ。アマチュアを含め、実業団チームはこの経済不況の中、存続が危ぶまれている。
サッカーに代表されるように、これからのプロスポーツは地域密着型経営で地域の新しいスポーツ文化の創造と、青少年の健全育成に貢献していくことが、求められている。
なーんて、パンフレットをそのまま書き取ったような話だが、なんということでしょう、プロスポーツ不毛地帯の島根県に、中国地方初、プロ・バスケチームができる。ということなのだ。
山陰初、プロバスケットボール開催(2009年9月27日)
2300人の観戦者で大盛況だった。
なんで、島根でバスケなの?
ミニバスケットが島根発祥だと知ってましたか? 島根県はバスケ王国だったのだ。
伝統的にバスケが盛んで、H18年の統計によると、全児童数に対するバスケの競技児童数の割合は、全国2.0%に対し島根は5.2%と2.5倍もいるという。
全国的に島根のバスケットの知名度も高いそうで、優秀な選手も輩出しているのだ。
しかし、近年競技人口は低下傾向、このままでは、島根県のバスケの知名度も低下していくこととなる。
プロ・バスケチームを立ち上げ、bjリーグに参戦しようという企画が持ち上がった。
県内の優秀な人材の受け皿となり、子供たちに夢と希望を持ってもらいたい。そして、国内トップリーグの試合を観戦し、新しいスポーツ文化と地域活性化、そんな大きな夢を持ってプロジェクトは始まった。
地元・松江のチアリーダー達
宮下博行さん
bjリーグのお話を聞くことになり、きっと元バスケット選手で、背が高くがっちりした男性がやってくると思っていた。
現れたのは、細身でにこやかな笑顔の、ごく普通の背丈の男性だった。昭和42年生まれ42歳、しかし35歳くらいにしか見えない、さわやかなイケメン男性。
昨年12月から松江市に単身赴任、bjリーグ参入にむけて、奔走している。8月、TVでbjリーグに参入チームに決定したとの電話を受けている男性が映し出されていたことを、覚えているだろうか。その男性が宮下さんだ。
香川県善通寺市出身、小学生の頃バスケ、中学・高校は甲子園をめざした野球少年だった。東京の大学に進学したが、なぜか料理人になりたいと大学を中退し、料理人修行を始めた。
時はバブル絶頂期、大学を卒業すれば就職先はより取り見取り、そんな時代に料理人とは、当然両親の反対を押し切っての決断だった。そして、若干25歳にして和食の店を持った。
この当時の板前修業は、厳しいものだった。料理学校も行かず、先輩板前さんは、言葉で教えてくれることもなく、ひたすら見て・感じての修行、多くは語らないが大変な苦労だったことだろう。そんな修業の後、自分の店を開店した宮下さんが、なぜスポーツマネージメントの仕事に?何での疑問がわいた。
スポーツにかかわる仕事がしたいとの思いは、常にあったようだ。お金をためて、アメリカへスポーツマネージメントの勉強に行きたいと思っていた。
そんな時、ICTスポーツという会社と社長赤池氏と出会った。料理人とICTのスポーツマネージメントスクールの掛け持ちが始まった。自分の店を経営しながらの勉強、大変だったことと思う。
「修行がすきなんですよ」と宮下さんは笑う。
1万本シュートプロジェクトでは幼児も参加
ICTスポーツ
この会社は、1998年古川電工のアイスホッケー部が廃止されたのに伴い、県民クラブ「バックス」の立ち上げに参画し、県民クラブ「日光アイスバックス」をたちあげた。
プロ野球チーム「楽天イーグルス」の立ち上げにも参画している。かかわったスポーツは、野球にサッカー・バスケ・ラグビー・アメフトなど様々だ。
宮下さんは、ICTスポーツから、bjリーグ参入とプロ・バスケチーム立ち上げのプロジェクトのため、松江に出向してやってきたのだ。
8月bjリーグ参入が決まり、9月27日松江市総合体育館で山陰初プロバスケ東京アパッチと滋賀レイクスターズの試合を開催した。NO1チアリーダーズのほか、松江の子供たちのチアリーダー、川津jrブラスバンド、六子ライブなど盛りだくさんで、お祭りのような会場には、バスケットとは無縁のお客様であふれかえっていた。
観客は、プロチームの迫力のある試合に魅了されたことは、言うまでもないことだ。
ここまでの道のりは、厳しいものだった。
bjリーグに参入するには、地域の応援団組織を立ち上げることが、不可欠だ。
島根の県民性につて、どう感じたか聞いてみた。消極的で周りの動向を気にする。プロスポーツ不毛地帯のため、理解してもらいにくい。目新しいものには、飛びつかない。そんな風に応えてくれた。そのとおり。
宮下さんは、溝口島根県知事に応援団になってもらうことを決めた。そして、県内各企業や団体を集めていく。また 、「1万本シュートプロジェクト」 を展開していく。
バスケットゴールを取り付けた大きな看板を持って、県内各地をまわり、ミニバスケットをやっている子供たち、老人会など色々な人たちにシュートをしてもらい、bjリーグを知ってもらう活動だ。
半年かけてのプロジェクトだったが、数ヶ月で1万本は超え、8月には1万3千本を超えた。バスケ大好きな人、まったくバスケをやったことのない人、様々な人たちが握手や励ましの声をかけてくれた。気持ちがなえることもあったという。そんな時、皆さんからいただいた暖かさが励みになり、勇気をくれたという。
そして、8月bjリーグ参入申請の結果が出る。自信はあった、しかし電話を聞くまで、緊張しました。参入決定の感動を、勇気と元気をもらったみんなに伝えたいといった。
「あらー、模範解答ですね」と笑ったが、これは本音だと思った。
2010年10月に向けて
11月チーム名が決定する。チームマスコットキャラクターにロゴマーク、チアダンスチームの募集。募集中のチーム名には「だんだん」「おろち」などがついた名前が多いそうだ。来年2月からはチームブースタークラブ会員の募集を開始する。
より多くの、個人や企業の会員を増やすことが、チーム設立の鍵となっていく。そして、6月ドラフトやトライアウトを重ね、7月にはチーム選手が決定し、10月のリーグ戦へと進んでいく。
プロスポーツの面白さは、そのエンターテイメント性にもある、近年、プロスポーツは観客サービスに力を入れている。すばらしい試合を見せることはもちろん、観客にいかに楽しんでもらうか、いわばお祭りを仕掛けるようなものだと、宮下さんは言う。
バスケのシーズンは10月から5月、オフシーズンには、子供たちや地域での交流会を重ねていく予定だ。たとえば、九州ではプロチームの選手たちが、学校へ出向き、登校してくる子供たちに、挨拶運動を展開し、喜ばれているようだ。様々な地域での活動をとうして、支えてくれる会員を集めていく。1万人の個人会員獲得を目指している。
宮下さんが、どんなバスケのお祭りを展開していくか、これからが楽しみだ。隣の鳥取ではサッカーチームががんばっている。来年、島根にはバスケットチームができる。みんなで、応援して盛り上げていきましょう。
いやー、ほんとにスポーツはいいですねえ。
今回掲載の元気企業データ
法人名 | (株)山陰スポーツネットワーク 代表取締役 赤池 大介 |
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所在地 | 島根県松江市北陵町1番地 ソフトビジネスパーク島根 テクノアークしまね南館G室 |
連絡 | TEL:0852-60-1866 FAX:0852-60-1867 |
ホームページ | 公式ホームページ http://www.probasket-shimane.com/ 公式ブログ http://blog.livedoor.jp/shimane_bb/ |
2009年10月17日取材
追伸・・チーム名 「島根スサノオマジック」に決定
詳しくは 公式ブログへ