ブライダルトータルプロデューサー 大橋千恵さん(松江市)【#連載94】
大橋 千恵さん
ブライダルトータルプロデューサー
松江市在住
昭和52年6月生(島根県益田市出身)
連絡先 メール buta_manjyu_buhi【@】ybb.ne.jp
(注意)メール送信時には、【@】の部分を半角@に変更して下さい。 ※ 件名に『TM21をみました』と入力してください。
ホームページ
http://canpasvista.net/wedding/oohashi/
大橋千恵さん
~あなたらしい、あなたにしか創れない結婚式・披露宴をお手伝いいたします~
昭和52年6月 島根県益田市生まれ
現在は夫、子供2人の4人暮らし
松江市在住
昨年9月からフリーのブライダルトータルプロデューサーとして活躍
ご自身を『お節介な披露宴マニア』と称する
とにかく元気でパワフルな大橋さんは『元気人』にうってつけの人でないだろうかと思い取材の依頼をしてみた。
私の予想通り元気な声で「是非お願いしま~す」。
早速11月22日に行われる最近流行りのレストランウェディングにお邪魔させていただくことになった。
ブライダルトータルプロデューサーの仕事
(大橋千恵さんの場合)
お客様とイチから会場を探したりご予算に応じたお料理・お花・引き出物・衣装・企画や依頼、司会進行を一人で行います。フリーだからできること、フリーにしかできないことがあります。
結婚を控えたカップルには費用のことはもちろん分からないことだらけだと思います。小さな悩みや不安を一緒に考え、解消し、具体化することがお仕事です。まずは何でも相談してみてください!
大きく分けて3つのパターンがあります。
- 結婚する(したい)が決まったが他に何も決まっていない。
…会場探しからプランニング・司会まですべて - 日程・会場は決まっている。内容を一緒に考えて欲しい…プランニング・司会
- 当日の司会のみお願いします…司会
いずれにしてもそれぞれの会場の会場プランナーと呼ばれる予約係りスタッフと相談しながらすすめていきます。
また、レストランよりお仕事を受けることもあります。ウェディングのノウハウのないレストランや、割烹料理屋・昔からある旅館などのご相談・お手伝いもお受けします。
今現在フリーでこの仕事をしている人は山陰地方では聞いたことがないと大橋さんは言う。
11月22日 結婚式・披露宴
私が会場に到着した頃、既に大橋さんは慌ただしくフラワーシャワーに使う生花を準備中だった。
「今日の新郎新婦さんはお若いかたで費用の面もあったから大変だったけど、低予算なんて感じない式になると思うよ~。」
そうは言っても式や披露宴がフルオーダーなんて高いだろうなと私は思っていた。
当日の出席者は47名、金額を聞いてびっくりした。
『お手並み拝見といきましょう!!』
大橋さんは、新郎新婦やご両家の方々と笑顔で楽しそうに最終の打ち合わせにはいっていた。あまりに溶け込んだ雰囲気なので、もともと知り合いなのだろうかと思った。
そのことも聞いてみた。「私は、式に至るまでに新郎新婦はもちろん双方のご家族のかたともいろんな話をするんだよね。どんなご家族さんも想いがが違うものだから、すりあわせることも私の仕事。だから結構仲良くなるんだよね~。私は披露宴の当日が私と新郎新婦(ご両家の方々)のゴールなのではなく、むしろ披露宴がお二人とご両家との新しいスタートだと考えてる。一生のお付き合いになればと準備からお手伝いさせていただいてるんだ。」という大橋さんは、人と人、話さないことには距離も縮まらないという。
この密着感はフリーの大きな強みだと思った。
大橋さんの司会・進行で人前式は無事終わり、ホッとする間もなく披露宴会場へ移動。ここでの大橋さんは忙しそうに会場スタッフとの細かな確認をおこなっていた。
「今日はお若い方が多いから、お酒が入ったら大変だなぁ。まとめるのも大変だ!」彼女の表情が少しキリっとした。
司会席には分刻みの進行表。「こんなにきっちり時間って決まってるものなんですね」との質問に大橋さんは「たった3分の遅れが15分の遅れにつながってしまうからね、レストランウェディングとかは特に会場を使用できる時間も決まってるしね」と進行表のすぐ横に置かれたお父様の形見だという腕時計を見ながら言った。今年2月にお父様を見送った。このことで更にこの仕事が好きになったという。
「披露宴で一番気にかけることは何ですか?」「場の空気」と即答した大橋さんだが、披露宴が進んでいくにしたがって私には『場の空気』を読むどころか彼女自身が『場の空気』を作っているように思えた。
マイクを持ってトークをしながら会場を歩きまわり、完全に招待客を巻き込んでいた。心配していた若い招待客もすっかり彼女のペースだった。お色直しに時間がかかってしまった時は、招待客が退屈しないように、突然テーブルで一言頂戴したりと常に周りを気遣い、気を配る。
新郎新婦とはかなり親密になっていたのであろう、披露宴では絶妙なタイミングのアイコンタクトが幾度もみられた。
とにかく彼女は泣かせる演出がうまい!泣かせるというよりは自然にそういう雰囲気を作り、会場を泣かせる一言を引き出す。たとえ泣いちゃっても差し出したマイクを引っ込めない。涙が心のこもった最高の挨拶で、感謝の気持ちの表れだと大橋さんは考えている。
大橋さんは気付いていただろうか、まとめるの大変だなぁと言っていたひときわにぎやかなテーブル席の若者達がはずかしげもなく涙を流していたことを。
新郎新婦と何の縁もない私も涙がこらえられなかった。
彼女自身も涙をこらえていた。ホテルなどでの一般的な式や披露宴では新郎新婦が当日初めて司会者に会うなんてことも稀ではない。私も今まで知人・友人の披露宴に出席してきたが司会者が涙を流しそうになるなんて見たことがなかった。こんな司会者初めてだった。
聞けば司会者が涙声になることはプロ意識がないと考えている業界の人も多いらしい。
しかし彼女は、「司会者だからといって無理に感情を抑えることはできないんだよね。新郎新婦やご家族と人と人とのお付き合いをさせていただいて披露宴を迎えているから、私には抑えきれないな。」と言う。
感動の中、披露宴も終わり、新婦と大橋さんがうれしそうにハイタッチしていた。「できたでしょう~!!」と大橋さん。新婦は目に涙を浮かべ「できたできた~!!」。それまで不安に感じていたことや苦労を一緒にクリアしてきたのでしょう。新郎新婦、両家の方々にありがとう、ありがとうとお礼を言われる大橋さんはとても嬉しそうで、彼女がこの世界の虜になっているのはこの瞬間かなぁと思った。そして何より新郎新婦の満面の笑顔が私には印象的だった。
時間を見ると15時すぎ。ようやくホッとしたように、「長い時間すいませんでした」と笑顔を見せてくれた。
「素晴らしい披露宴でした。」恥ずかしながらその時の私にはこの言葉しか出てこなかった。
式や披露宴の何をテーマにするか
「やりたくない、なら別ですが、やりたい、またやってみたいなら、是非やって頂きたいのが、結婚式や披露宴です。
お二人には晴れの門出であり、ご両親やご友人などに今までの感謝を伝える絶好の機会であり、ご両親様にとってはささやかな卒業式、といったところでしょうか。そんな大切な式や披露宴を大金をかけてやりたい人もやならければならない人もおられるからそれはそれで良いんです。お金をかけたぶんだけ納得ができて、思い出に残る素敵な式や披露宴ならば…。
でも予算が少ないなら少ないなりのことができることも知って欲しいんです。何をテーマにして何にお金をかけるのかをハッキリさせたほうがいい。予算のことだけじゃなく、とにかく自分たちのやりたい式や披露宴をしてほしい。」という大橋さん。
これまでの道・これからの道
実は、大橋さんは埼玉の音楽大学をご卒業という経歴をお持ちの方。
ある日たまたま手に取ったブライダル雑誌を見て興味を持ち、即座に電話帳を開き一番大きな広告の会社に電話。
たまたま電話を取ったのは社長。たまたまが続き好運にもその会社に入社することになった。そこは浜田市にある総合結婚式場で、ブライダルの仕事全般に携わることができたという。
「緊張するよ~」と言いながらも、今ではアドリブを交えながらの司会進行振りだが、ブライダル会社での初めての司会ではあまりに緊張しすぎて倒れてしまったらしい。その時の事を懐かしそうに話してくれた。
「あの時は先輩みたいにバチっと司会がしたくて、背延びしてたんだよね。倒れてしまったことがかなりショックで会社辞めちゃった。しばらくして、その会社の益田店がオープンすることになって、声をかけていただいてまた拾ってもらったんだ。その会社で働かせてもらったことが大きかったな~。」
「今はラッキーなことにレストランとかからも少しお声がかかるようになってきたけど、私に仕事がくるってことは誰かの仕事を食っちゃったってことでしょ?だから私もいつか誰かに食われちゃうって思ってやっていかないとね。
もちろん私は私にしかできないものを創っているという自信があるけどね。だからご縁があって呼んでいただけるなら静岡でも東京でもどこへでもいくんだよ~。結婚式した人に司会の人の名前を覚えてる?って聞くと大抵の人は覚えてないんだよね。私はず~っと覚えててもらえるような関係でありたいし、そんな仕事をやっていきたいな」と言う大橋さん。
モデルプランに沿ったものもあれば、司会だけを行う場合もあり、ゼロから全てを組み立てることもあるこの仕事は、とにかくいろいろな面でセンスが問われる。毎回、施行錯誤を繰り返しながらひとつひとつ形にし、センスを磨いていく。
大橋さんが関わった結婚式や披露宴に一度でも出席した方は、それまでに出席してきたものとの違いを感じることができるだろう。
会場探しが一番先というのも良いが、プランナー探しが一番先という考えを持つ人もこれから増えてきそうな気がした。
今後取り組みたい披露宴は・・・
- 古民家披露宴
- 地産地消披露宴
- 音楽祭披露宴
- 島根披露宴(海外披露宴的発想
~島根にゆかりの無い人も神々の地で披露宴を~)
大橋さんの宝物は、家族・親・父の形見の時計。
出会いを大切にし、人に温かく、元気いっぱいの大橋さん。今後の披露宴が楽しみだ。
今回掲載の元気人データ
名前 | 大橋 千恵 さん |
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所在地 | 島根県松江市 |
生年 | 昭和52年6月生(島根県益田市出身) |
業務 | ブライダルトータルプロデユーサー |
連絡 メール |
まずはメールにてお願いします。 buta_manjyu_buhi【@】ybb.ne.jp |
ホームページ | http://canpasvista.net/wedding/oohashi/ |
2009年11月21日取材