劇団Yプロジェクト 代表 坂井陽介さん(松江市)【#連載96】

2010年3月15日
3月27日、28日に島根県民会館中ホールで行われる公演にむけて熱い稽古が始まっている「劇団Yプロジェクト」。
劇団Yプロジェクト 代表 坂井陽介さん(松江市)【#連載96】 

今回の元気人

坂井陽介さん

劇団Yプロジェクト 主宰者
松江市西津田
劇団事務所: 050-1572-5733
劇団専用携帯電話: 090-6438-7216
ホームページ : 劇団Yプロジェクトホームページ

坂井 陽介さん

松江市西津田町に「Yプロ演劇工房」という芝居小屋がある。
中に入ると、迫力ある声が聞こえてきた。

3月27日、28日に島根県民会館中ホールで行われる公演にむけて、熱い稽古が始まっている「劇団Yプロジェクト」。

この劇団を主宰するのが坂井陽介さん。

坂井さんは松江市生まれ。
普段は島根県民会館の職員として、舞台の照明を担当している。幼稚園の時に母親に連れられて、鑑賞を通じて子育て支援をしている団体「おやこ劇場」の演劇を観たのが、芝居との初めての出会いだった。

高校を卒業後、役者を目指して多摩芸術学園に進み、東京の劇団に所属したが、都会で役者を続けることの難しさを痛感。1992年に松江に帰り、電気関係の仕事に就いた。

 その頃、松江で「座・ゆでたまご」という劇団が旗揚げされ、坂井さんも入団。しかし、1回の公演後、活動が続かなくなった。「別の形で、演劇の新しいプロジェクトを作ろう!」と、有志で「Yプロジェクト」を立ち上げ、その後13名のメンバーで1999年に「劇団Yプロジェクト」を結成した。

劇団Yプロジェクト
劇団Yプロジェクト メンバーの皆さん(公演後、団員と協力スタッフ)

劇団Yプロジェクト 代表 坂井陽介さん(松江市)【#連載96】

昨年初演した「ヘルメット・ダンディ」の一場面

このままじゃいけない。

年1回、プロの脚本家の作品を演じていたが、限られたキャスト数で、団員の中には希望通りにいかないジレンマが生まれはじめた。結婚・仕事・卒業などで抜けていくメンバーも相次ぎ、ついに、劇団員はたったの4名になってしまった。

「このままじゃいけない。みんなが思うことを集めて脚本を書いてみよう!」.

坂井さんは、前の仕事をやめて、境港の会館の臨時職員をしながら合唱団の演出、音楽劇の脚色を始めた時期でもあった。

団員のやりたいことを聞き出してまとめ、結婚相談所をテーマにしたコメディ作品を書き上げた。2005年5月初演「幸せのタイミング」。団員は少ないけれど、クオリティの高い作品を目指した。

初演の集客数165名。その後の再演では、しいの実シアター3公演を満席にし、島根県民会館で370名、観客動員総数900名のヒット作品となった。

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キッズシアター「まちのねずみといなかのねずみ」を上演する劇団員

キッズシアター

徐々に劇団員も増え、安来市の団体から「子供向けの芝居をしてほしい」と依頼があった。2007年1月。初めて保育所の子供達の前で演じた。

目を輝かせて真剣に見入る子供達。坂井さんの中に、自らの子供時代が蘇った。

「テレビや映画じゃなく、生の芝居を、子供達は五感で感じ取っている。それが今の俺の原点だったはずだ。」

キッズシアターとして子供向けの芝居もレパートリーに加えるようになった。

劇団Yプロジェクト 代表 坂井陽介さん(松江市)【#連載96】

今回の公演に向けての稽古風景

10周年

10周年を迎えた昨年は、初のオーディションを開催。新たな団員を加え、2作目のオリジナル作品「ヘルメット・ダンディ」を上演した。
2日間の動員数530名。「元気をもらえた。」「都会にも通用する!」と、嬉しい反響がたくさん届いた。

 今まで公民館などで稽古をしていたが、縁あって今の稽古場を借りられることになった。大道具を収容出来る広い稽古場を維持していくのは大変なことだが、そこには団員達の夢がつまっている。

「演劇工房」と名付け、席数50名のミニシアターとしても活用。演劇が山陰の人達にもっと身近なものになるよう、坂井さんはチャレンジを続けている。

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【写真上】 ミニシアターでの二人芝居に出演する坂井さん
【写真下】 Yプロ演劇工房」のミニシアター

さらなるパワーアップを目指して

そして今年、「ヘルメット・ダンディ」の再演が決定した。歌もプロの先生の指導を受け、初演とは違うキャストで、さらなるパワーアップを目指す。

団員数20名。様々な職業の人、主婦、学生など、年齢層も様々。皆、忙しい合間をぬって夜遅くまで熱心に稽古をしている。ビルの建設現場を舞台にした、笑いと感動のストーリー。忙しさの中で忘れかけていた、大切なものに気づかされる作品だ。

坂井さん率いる「劇団Yプロジェクト」。「演劇工房」から紡がれる愛と夢と希望が、きっと観る人へと届けられることだろう。

劇団Yプロジェクト公演 
「ヘルメット・ダンディ」(作・演出 坂井陽介)

  • 島根県民会館中ホール 
  • 3月27日(土) 19時開演
  • 3月28日(日) 13時半開演
  • 入場料 : 一般1800円(当日2300円)、 高校生以下500円(当日700円)、全席自由・託児あり(有料・要予約)

    プレイガイドの他、ローソンでも購入可能(Lコード 67615)
    インターネット予約は「劇団Yプロジェクト」の「チケット予約フォーム」から。
  • 詳しくは 劇団事務所 050-1572-5733
          劇団専用携帯電話 090-6438-7216

今回掲載の元気人データ

名称 劇団Yプロジェクト
所在地 島根県松江市西津田
代表 坂井 陽介 さん
業務 演劇活動 劇団
連絡 劇団事務所: 050-1572-5733
劇団専用携帯電話: 090-6438-7216
ホームページ 劇団Yプロジェクト

 

2010年3月8日取材