「くにびき自然学校」を主催する佐藤しのぶさん(松江市宍道町)【#連載103】

今年3月から、子ども達に野外教育活動を提供する「くにびき自然学校」を主催する佐藤しのぶさんにお話を聞きました。
 「くにびき自然学校」を主催する佐藤しのぶさん(松江市宍道町)【#連載103】

今回の元気人

佐藤しのぶ さん(1976年12月30日生まれ)

くにびき自然学校 代表
松江市宍道町出身
〒699-0406 松江市宍道町佐々布726
TEL 090-8358-8837
ホームページ
HP : http://www.kunibiki.org
FaceBook http://www.facebook.com/shin.shinobu
FaceBookページ くにびき自然学校
mail : info【@】kunibiki.org 
(送信時には【@】を半角の@に変更してください)

OBJと佐藤しのぶさん

1976年12月30日生まれ37歳、 しのぶさんは優しい笑顔の男性。 細身の引き締まった体型、笑顔で話す様子はとても37歳のおじさんには見えない。青年のような雰囲気だ。

「(財)日本アウトワードバウンド協会(OBJ)」 聞いたこと在りますか?

長野県の最北端 小谷村にこの協会はあり、設立して24年になるという。
簡単に言えば、アウトドア体験冒険教育を行い、責任感ある何事にもくじけない、思いやりのある人間教育を行っている。

対象は子供たちから大人まで幅広く、これまで3万人の人達が巣立っていき、全国でこのような活動を主催している人達が多くいるという。

佐藤さんとOBJの出会いは、アウトドア雑誌の小さな記事だった。
学校卒業後、土木設計の仕事をしていた。
このままで、いいのかなあ・・・・・・・。
そんな思いを抱いていた佐藤さん、そんな小さな記事にひかれて、OBJ 2ヶ月のプログラムに申し込んだ。 プログラム参加費は60万円、仕事もやめて長野に出かけていった。25歳だった。

2ヶ月のプログラム終了後、OBJスタッフにと言う話があり、スタッフ研修をうけ、その後3年間OBJスタッフとして働いた。

拘束時間は長かったのですが、とても充実してました。
このころに知り合ったスッタフ仲間とは、今でも付き合いが全国に広がっている。
仕事は、主に大人のプログラムが多かった。

時々、子ども達の冒険教育体験もやったが、そのころは子供たちは苦手だった。
若い佐藤さんは、子ども達との活動はなるべくやりたくなかった。

「くにびき自然学校」を主催する佐藤しのぶさん(松江市宍道町)【#連載103】

冒険教育のプロ集団。全国で活躍しています

ふるさと森林公園

長野県OBJでの3年間の経験を終えて、ふるさとへ帰ってきた。
チラシを見た。 生まれ育った宍道町にある ふるさと森林公園の職員募集チラシだった。
これ 面白そう。

ふるさと森林公園での仕事は、当時は主に結婚式とコテージやキャンプ場の施設管理だった。。
結婚式は面白かった。
カップルと色々話し合って、どんな結婚式にするか企画することは楽しかった。

やがて、OBJの経験を生かして、子ども達の野外体験活動をやってみたい。
森林公園は広いフィールド、絶好の場所だった。
最初は 1泊2日のキャンプから始めた。

2泊 3泊 4泊と活動を広げていった。
募集は10人程度、スタッフ2人ではそのくらいが限度、キャンセル待ちがでた。
3年前には 10泊という 長期体験活動を行った。 参加費は78000円。

10泊 どんな活動なの?

大山へ行っての野外活動、海へ行ってシーカヤック、川へ行って川遊び。
盛りだくさんだが、中間には森林公園へ戻って前半の振り返りを1日かけてやった。
仲間にしてもらってうれしかったことを紙に書いて発表すると、みんな照れながらもほめてもらえたことがうれしかった。

こんなコーチングプログラムも、OBJで学んだことだった。

プログラム企画をする場合、必ず子ども達への毎日の目標やねらいを明確にしていくという。

島根町から出雲大社まで、リヤカーにキャンプ道具を積んで、みんなで歩きながらキャンプをして完歩した。

すごいなあ、こんな活動があったことにびっくりした。
子ども達は、毎日毎日成長していくという。
子ども対象活動は苦手だったはずが、いつしか子ども達の成長を見ていることが楽しく充実していた。

 

「くにびき自然学校」を主催する佐藤しのぶさん(松江市宍道町)【#連載103】

みんなで力を合わせ滝を登る

くにびき自然学校

3月から活動が始まる。

  • 森のようちえん 土曜日や長期休暇中に活動する。
  • 自然体験活動 小中学生対象 通年を通して活動する。
  • 冒険教育 小4から中学生対象 自然体験より少しハードになる。

この3つを柱に活動が始まる。


スタッフはどうするの?

プログラムごとにスタッフを集める。
OBJの仲間のつながりで、手伝ってくれるスタッフが集まってくる。
また、島根大学と協力し、学生のフィールド活動の場にもなる。

まず、3月10日には「森のようちえん まるたんぼう」の講演会を松江市市民活動センターで企画している。

県内ではめずらしい野外教育を通年開催する任意団体。

島根県には、野外体験活動が出来る場所は、国立三瓶青年の家やサンレイクなど、国・県の施設があるが、まだまだ自然体験のハードやソフトが充実していない。
子ども達は、川遊びをしたことが無いという。
川の水が冷たくて気持ちいいことも、川底が石でごろごろしていることも、流れが速くて身を任せると楽しいことも、子ども達は知らない。

川に入ってはいけないと指導されることもあるという。

「くにびき自然学校」は、すばらしい自然がいっぱいの島根県のフィールドで子ども達に自然体験、本物の体験をさせたいという。

「くにびき自然学校」を主催する佐藤しのぶさん(松江市宍道町)【#連載103】

通年野外活動の提供

今の子供たちに思うことは?

バーチャル体験が多く、本物の体験が少ないので、ストレスに弱い。

例えば、夏のテント「あついいいー  虫があ」
あとは、トイレにシャワー、どうしようもない時は、テッシュとナイロン袋を持たせてさせます。
しかたなしにやりますよ。
でも、出来るだけ風呂は入らせるようにしますね。

島根県では、野外体験活動が意外と少ない。

行政で一番充実しているのは兵庫県だそうで、小学校では毎年4泊5日の自然体験授業があるという。
佐藤さんは、キャンプでなくても「通学合宿」もいい体験と言う。

地域の人達に協力してもらい、もらい風呂や食事作り、掃除に洗濯、自分たちで役割分担し活動していく。いい活動ですね。

佐藤さんは、地域のよさ、島根県のすばらしさを子ども達に伝えていきた
い。 意外と大人は気づいていないのかも知れない。

子ども達と野外体験活動をしてきて、子ども達が短期間に成長する様子が楽しい。
アンケートなどによると、家でお手伝いが出来るようになった。
まあ、なかなか継続は難しいが、やる気は出てきた。
大人の大変さがよくわかった。 こんな声がつたわってくる。

これからの佐藤しのぶさん夢中がmotto 佐藤しのぶ さん

まずは、「くにびき自然学校」を知ってもらわないと、ホームページも立ち上げ、情報発信をしていく。

子ども達に、言葉で伝えられることは少ない。
自然体験の中で、子ども達に任せ、指導者は1歩ひいてみている。
「どうしたらいい?」の質問には、仲間に聞いてごらんと答える。

仲間と解決し、一緒に乗り越え成長していく。

そんな子供たちが、10年後「くにびき自然学校」のスタッフになっていたらうれしいなあ。
これから、そこまでがんばっていきますよ。

一つ、心温まるエピソードを教えてくれた。

OBJ時代に野外体験活動した小学生。
18歳、医者を目指して勉強し医大に入った。
彼女の目標は、過疎地の長野県小谷村で、地域医療に携わること。
小学生、小谷村での野外活動体験から出てきた言葉だった。

こどもって、すごいですね。

がんばれ「佐藤 しのぶ」! 島根の子ども達のために。

 「くにびき自然学校」を主催する佐藤しのぶさん(松江市宍道町)【#連載103】

制作中の『くにびき自然学校』ホームページ

今回掲載の元気企業データ

法人名 くにびき自然学校
所在地 〒699-0406
島根県松江市宍道町佐々布726
氏名 佐藤 しのぶ
業務 子供たちにへの野外活動体験活動
連絡 TEL 090-8358-8837
mail : info【@】kunibiki.org 
(送信時には【@】を半角の@に変更してください)
ホームページ

http://www.kunibiki.org

FaceBook
http://www.facebook.com/shin.shinobu

FaceBookページ くにびき自然学校

 

2013年2月1日取材   取材・文章 ティーエム21