島根県社会人サッカーリーグSC松江 監督:桑谷勝之さん(松江市)【#連載101】
9月4日(日) 松江市陸上競技場にて
9月4日12号台風が猛威をふるい、和歌山・奈良・三重県などでは、甚大な被害が発生していた。 幸い松江市では、それほどのこともなかったが、台風は通り過ぎたというのに、どんよりと曇った空から、雨が降っていた。
午後3時、松江市営陸上競技場では、SC松江対城北サッカークラブの試合がキックオフ。
島根県社会人サッカーリーグ戦の対戦だった。
細かい霧雨の中、曇った空にもかかわらず競技場は緑の芝生がきれいだ。赤いユニフォームの城北サッカークラブ、白いユニフォームのSC松江、白いボールを追って走る様は、緑の芝生に映えて、とってもきれいだ。
競技場のスタンドで観戦すると、パス回しの様子や、あそこにスペースがあるなどと、よく見える。
サッカーの試合は、テレビで見る以外はなかった。競技場で見るのは初めての体験だった。
ちょうど、なでしこのオリンピックアジア予選、ザックジャパンのワールドカップ3次予選が始まって、サッカーはマイブームになっている。
にわかファンは、うんうん・・・、あの選手の動きはいいなあなどと、勝手なことを思いながら楽しんでいた。さて、試合の結果は 11ー0でSC松江の圧勝だった。
試合が終わると、皆さん一緒にお片づけ、大きなサッカーゴールを抱えて、運び出していた。
社会人リーグはアマチュアスポーツ、準備から片づけまで、すべてみんなで一緒にやっていた。
松江市陸上競技場での試合風景
監督 桑谷勝之さん
監督さんは、黒いユニフォーム姿でずーっと大きな声を張り上げて、指示を出していた。
桑谷勝之さん、昭和48年生まれ38歳、顔も手足も真っ黒、黒いユニフォームと同化して、写真をとっても写らないですよと笑った。
日頃は堅いお仕事をしておられる桑谷さん、見た目とのギャップは大きいと思う人は、少なからずいることだろう。
松江市鹿島町出身、小学校からサッカーをはじめ、社会人になってからは、30歳でじん帯を損傷する怪我を負うまで、SC松江の選手としてサッカーに打ち込んできた。
その後、監督に就任した。選手からは“かつさん”と呼ばれている。
選手は大学生の21歳から34歳までの年齢差がある。監督さんは、選手のよき兄貴といった雰囲気で、和やかだ。
監督として一番大切にしていることを聞いてみた。
「選手みんなをつかってやりたい」そんなふうに答えてくれた。
選手たちは、年齢差もあり、仕事もさまざま。家庭を持っている選手もいる。
練習時間も試合経験も個人差があるが、できるだけ多くのチャンスを与えてあげたい。
しかし、上を目指していく以上、なかよしクラブではいけないのだ。
監督としては、悩ましいところなのだ。
現在、SC松江には23人の選手が参加している。練習は 週3回 水・木・金。
水曜日は玉湯町体育館で室内練習、木曜日は松江総合運動公園でひたすら走り、金曜日は松江総合運動公園サブグラウンド(S-Pitch)で、外練習。土日は、試合が入ってくる。
練習環境にも恵まれているとはいえない。そんな環境の中、皆さんがんばっているなあ。
「みんなをつかってやりたい」そんな気持ちが良くわかった。
ピッチへ檄を飛ばす桑谷監督。
島根県社会人リーグ
SC松江は1992年、サッカー協会に登録した。
桑谷さんは、30歳から8年間、監督として指導している。
社会人リーグについて聞いてみた。
島根県には1部リーグに6チーム、2部リーグに6チームある。
SC松江は1部リーグに所属している。ここで、県リーグ戦を戦って、上位2チームが中国大会に出場する。中国5県で10チームが、トーナメント戦を行うのだ。
今年度は、11月5日から7日まで、鳥取県で開催される。
SC松江は今のところ、負けなし。県リーグ1位にいる。
昨年は、準決勝で負けた。今年こそは、決勝戦にと意気込んでいる。
桑谷さんが監督になってから、8年目になった。5年前、選手と話し合いアマチュアチームとして、上を目指して進んで行くことを決めた。
監督はじめ選手も、サッカー中心の生活になったことだろう。しかし、家庭との両立、部費で運営していくチーム経営の難しさ、監督さんの悩みは多いようだ。
中国地方にも、強力な実業団チームがある。広島県・岡山県が強いことはいうまでもない。
そんな実業団チームに向かっていくSC松江、心強いではないか。
スポンサーを募集したらどうかと聞いてみた。
「まだまだ、実力をつけないと、そんなことはできません」
「中国大会決勝戦に進んだら、募集しましょうよ」
笑っていた。
試合の結果は 11ー0でSC松江の圧勝だった。
これで今期開幕6連勝。
監督さんの想い
監督さんが、選手たちに伝えておきたい思いは何か、聞いてみた。
「出会い 仲間 を 大切にしてほしい」
サッカーを通じてであったさまざまな人とのつながり、これからの人生の宝になることだろう。
“かつさん”と慕われる監督さん、いいこと言いますね。
監督さんの普段の生活はどんなんだろう、興味がわく。
市内の小学生や、高校など、サッカー指導に明け暮れているようだ。
他の選手たちも、子どもたちのサッカー指導をしている人が多いようだ。
「皆さん、サッカーが大好きなのですね。
皆さん、大好きな打ち込めることがあって、幸せですね」
「そうですか? ただのサッカーバカですよ」
「幸せな、おばかさん達ですね」
試合が終わると、選手も監督も皆さん一緒にお片づけ
今回掲載の元気人データ
チーム名 | SC松江 |
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所在地 | 島根県松江市 |
監督 | 桑谷 勝之 |
所属 | 島根県社会人サッカーリーグ |
メンバー | 23選手 |
HP ブログ |
2011年9月4日取材 写真・記事 ティーエム21